新潟の土地探しバイブル

第2章 土地の確認すべき条件

いざ土地を探す場合の確認すべき項目を整理してみました。

(1)土地の場所(地区・交通条件(通勤経路と時間)

新潟市内で土地を探す場合、希望とする地域をまず優先しようとするわけです。

もともとの地理勘があるところは住みやすいだろうし、交友関係も継続できるメリットがあります。しかし、発想を変えてまったく別の地域まで物色の範囲を広げれば、より条件の良い土地に出会える確率も高くなります。

(2)周辺環境(学校、店舗、医院、までの距離。道路、隣家の状態など)

小学生の子供のいる家庭では、通学先の学区の範囲で探すことが最優先として考える人が多いです。その場合の通学距離ですが、なるだけ短くしたいという親心は働きますが、徒歩30分~45分であっても子供は遊びながら帰るものですし、あまり近すぎるのも自堕落になると考える人もいます。学区であれば良しとして距離は気になさらない方がよろしいようです。

また、買い物の便なども重要かもしれませんが、現代は車社会です。良いにこしたことが無い程度と捉えて、まずは周辺の住宅街の雰囲気を重視しましょう。雰囲気を大きく左右するのは、周辺家屋の植栽です。隣家や正面の家屋に良好な植栽があれば、それを借景にすることもでき、ポイントが高くなるといえます。

筆者個人としては、「静けさ」というものは、最高の条件として考えます。夜の安眠・休日の平穏さ・夏に網戸だけで通風を取ることができることは重要です。サッシを締め切らなければうるさいような土地は、かなり生活上問題があると考えます。

(3)土地の面積(予算と広さの関係)

新潟市の中心部での宅地分譲は土地の大きさが40坪程度の小さな区画が主流です。

仮にその土地に車両を2台駐車するとして、総2階ベースの小ぶりな家を設計すると、小さな庭がかろうじてとれます。住宅の適正規模は30坪前後。この大きさで、核家族の3人から4人住まいであれば住宅規模は過不足無いプランニングが可能です。

庭をもっと楽しみたい場合。また、冬には1m以上の積雪が想定される地域の場合は、これでは狭すぎで、核家族でも50~60坪程度の広さを選ぶと良いでしょう。同様に、2世帯住宅で車両を3台以上という場合も、それ相応の広さが必要です。

(4)敷地形状(整形の土地かどうか)

変形した土地は相場に比べて幾分か安いケースがあります。 変形土地には大きくいて2種類あります。

1つ目は旗竿敷地。 元の敷地を半分に分筆しようとすると奥の敷地が旗竿のような形になります。道路へは2m接していないと建築してはいけない法律があるので、竿の状態の幅は2mの場合が多いです。

住んでみると奥まっていて道路の通行視線が気にならず、案外居心地は良いです。しかし、工事を進める際には、困難を伴います。 クレーンが入らなければ、手作業での上棟となるし、上下水道の引き込みも長くなる。また、2mの幅は駐車場にするには狭く、通路としての利用しかできません。さらに、車両の駐車スペースも位置が限られ、通常の接し方よりもスペースは余計に必要になります。車両を2台持ちたいと考えている場合は、竿の部分を除いて50坪は最低限欲しいところです。

相場としても、仮に敷地全体で、100坪であって、竿の部分が10坪だとしたら、有効は90坪と考えて、その地域の相場よりやや安い単価を掛けたものであるべきです。だから、並みの坪単価では割高であると判断し、以上の観点の分だけ相場より安いかどうか考慮が必要です。

次に、台形や多角形という不整形という変形土地の場合です。これも、ハウスメーカーのような企画設計では有効活用できないので、割安となる場合があります。しかし、設計事務所や我々にとってみれば、敷地の形を生かすように魅力的な活用を考え、より魅力的へとつくることが可能かもしれなません。コスト面でも、1面を斜めにする程度は、大きなコストアップにもなららないし、木造という自由度の高い工法においては何の問題も無く施工できます。ある意味お買い得であることもある土地です。

(5)敷地の高低差

丘陵地の造成の場合、道路よりも小高くなった土地があることでしょう。

緩い勾配の場合は、そのまま自然勾配にて分譲されたりしますし、高低差が大きい場合はL型擁壁がはいっていたりするでしょう。うまく高低差を生かしておもしろい家が可能になる場合もあれば、実は安全に建築するにはお金がかかる土地かもしれません。

高低差のある土地のよい面:

A: 隣家や道路視線を、高低差により気にならなくさせる家になるかもしれない。

B: 高低差を利用し変化あるランドスケープをつくり自然らしさを演出する。など、うまく全体計画をすればおもしろくすることが可能です。

C: 例えば新潟島の丘陵地の場合、砂丘が従前地なので、地盤が安定しているケースが多く、地盤改良工事が不要になることが多いです。

高低差のある土地の注意すべき面:

A: L型擁壁の注意事項:RCのL型擁壁は、高さと同じぐらいの幅をもった底盤が地中深く埋まっています。切り土の造成でも、擁壁の底盤を埋め戻すので、そこは盛り土ということになります。また、擁壁の近くに建物の配置がされる場合は、擁壁がどの程度の上載荷重を想定しているか調査する必要があります。つまり、立ち上がりの距離と同じ程度のセットバックした配置計画となると考えていたほうがよいです。

B: 昔の石積擁壁の土地は、地震の際に崩落の危険性がかなり高くなります。造りかえるとなると費用的にみて非常に高くつく可能性があります。擁壁がもし、隣地の所有物であれば、再設置もできない場合もあり、建設不可能ということもあります。こうしたケースの場合は、建築知識の多い建築会社と購入前に検討することが必要です。

(6)日照条件(道路づけの方位、周辺家屋との距離、圧迫感など)

変形した土地は相場に比べて幾分か安いケースがあります。 変形土地には大きくいて2種類あります。

道路の方位について:日本人の南側道路信奉は根深いものがあります。

分譲地においては、2割ほど高めに設定されていながらも南側の敷地から順番に売れていきます。ハウスメーカーのモデルハウスがほぼすべて南側の道路を前提とした設計になっているから、一般の人でもプランを想像しやすいことも背景にあるのでしょう。

40坪程度の、狭小地であれば、南道路の部分には家が建たないから、日射で有利なことは間違いありません。ミニ分譲が主流の新潟市内の宅地では仕方ないこともあります。つまりは、40坪未満で北側の道路しかない敷地では、普通にプランニングして1階のスペースに直射日光を呼び込もうとしても難しいです。

逆を言えば、一定の大きさ以上になってくれば南ではなくても過不足無い日照の取れる敷地もありうるということになり、同じ予算で広く敷地を利用できるということもいえます。また、設計の工夫しだいで気持ちよい光を得ることも充分可能です。

また、南道路は、日射を取り込んだつもりが、道路からの視線で、プライベートが丸見えになり、結局カーテンを一日中閉めているという家が非常に多いように見受けます。

以上 道路付けは 設計の工夫でなんともなることで、一般の人が色々考えても限界があるので、設計力の高い依頼先とよく相談が必要です。周辺家屋からもたらされる圧迫感も同様で、解決できるかどうかの判断は建築設計しだいです。

(7)既存建物のあるなし

売り土地に古い家屋が付いているケースもあります。

古い家をリノベーションして住んでしまう計画も考える人もいますが、どの程度まで改修が可能なのか?その家屋の構造は腐っていないで再利用可能なのか?希望のリノベーションでどの程度の費用が必要なのか?様々な高度なコンサルティングが必要で、一般の方では判断は付かないでしょう。

また、解体する場合では、建物の解体工事では坪3万円平均で費用が生じます。古屋付の場合はそうした費用を減分して考慮する必要があります。

(8)建築条件が付くかどうか

これは、前章で詳しく説明済みなので省略します。

(9)登記の問題(権利、地目)

所有者が亡くなっているのに名義の変更を長期間していない。また、現状では宅地なのに地目は農地のままである。実際に測量した土地の面積と登記上の面積に大きく差がある。など、登記上問題のある土地は、もちろん専門的なコンサルティングが必要です。

(10)建築法規(市街化区域、都市計画区域、防火地域、接道条件)

建築地には最低でも2mは道路と接していないと建築は出来ません。

また、実際は道路に見えていても、実は隣家の所有する「私道」であったりするケースもあります。調整区域の土地の場合、原則建築行為はできませんが、例外もあります。

このように建築基準法に照らし合わせて、問題があるかないかの調査は購入前に当然必要です。

(11)地盤のよしあし

新潟市内の宅地は、約7割は軟弱地盤で改良工事が必要です。

一部の土地においては従前地(はるか昔の土地の状態)が、砂丘であったなどした場合には、地盤改良が不要との判定がされる場合があります。これは地質調査のデーターベースを参照し、ある程度の予測が可能です。また、軟弱の度合いと建築内容により改良工事での費用は異なりますので、建築会社と相談が必要です。

(12)インフラの引き込み状況(上下水道・ガスの有無)

新潟市内の宅地は、約7割は軟弱地盤で改良工事が必要です。

ガス管の埋設がない場合は、オール電化にすれば問題なく建築できますが、上下水道の整備の行き届いていない土地の場合は問題です。

総括:

上記のように、表面的に見える事柄だけで判断の付かない要素が多くあり、場合によっては建築計画全体を大きく左右するケースもあります。

特に後半の(7)~(12)の諸問題は非常に専門的で、一般の方で対応できる問題ではありませんし、専門家であっても調査なく即答できない事項も多くあります。ある問題があったから、すぐだめだということでも無く、諸条件を総合的に加味して判断するという姿勢が、土地購入の成功の鍵に思います。

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