住宅思想

4:小さく作って広く住む。

大きくて狭い家。 小さくて広い家。

まずは質問します。大きな家は広い家ですか? 小さな家は狭い家ですか?

実のところ、大きな家が広い家であるというとは限りません。

広いとか狭いとかは、その空間の広がりがどこまであるかどうかのお話で、家の規模とは異なるからです。例えば、私は以前三条市で一番古い農家の建替えをお手伝いしたことがあります。その時に90坪もの農家住宅をどのように使って暮らしているのか調査をしました。

住宅は大きいですが8帖や6帖間が廊下でつながっている間取りで部屋数だけがやけに多い。さらに冬になると暖房のある場所以外には人が居られないから、ほとんどの空間が死んでいる。90坪の豪邸でも実際には20坪ほどしか使っていないことが分かりました。 これは典型的な「大きくて狭い家」の事例です。

オープンなプランニング

一般的な用途の住宅において目指すところはその逆で、「小さくて広い家」です。 実際のメリットは数々上げることができます。

1 建築費や維持管理費、税金、光熱費が安くなる。

2 無駄に歩くことが無く疲れない。だから 住みやすい。

3 戸の開閉の頻度や温度差も含めて、障壁が少なく(バリアフリー)で住みやすい。

4 もちろん視覚的な広がりは気持ちがよい。

小さく広い家を作るにあたっては、建物内部の広がり、建物内部と外部の広がり。上下階でのつながり。この3点の広がりを意識し、同時に落ち着きのために壁をどのていど設けるか、囲まれ感を損なっていないかなどをバランスを取りながら設計する必要があります。

広ければよいというものでもない。過不足なく最適であるという状況の模索です。

さらに、小さいお子様のいらっしゃる家庭は、子供室を最初から設けず、ホールとオープンスペースにして設計にする場合が多いです。 スケルトン<骨組み>と間仕切りを切り離すことで、将来自由に間取りを変えることを可能にできます。

ぜひ我々の施工事例の写真でその広がりをご確認いただきたいところです。

ここで忘れてはならないのが、「断熱性」です。断熱性を伴わない大空間というのは経済性と快適性を損ない不満だらけの結果となります。オープンな空間とするには、次世代省エネ基準の北海道地域並みを目安に断熱性能を高めておく必要があります。

ファミリースペースがうまくいけば合格

住宅の空間設計するに際して、全体に均等に力を入れるよりも、重要な空間に優先的に良くしてやろうという心構えで取り組んだほうの満足度が高いようです。

それでは住宅において一番大事な空間はどこでしょうか?

比較的関心の高い場所ですけれど、水回りでもない、収納でもない。ここは大事な空間がちゃんと機能するためのサーバントスペース(召使い)であって、主役ではありません。

住宅の主役はファミリースペースだと考えます。

家で過ごす時間は、就寝している寝室が一番長いかもしれませんが、寝ているわけだから意識はありません。

家族が食事をし、交流し、家族らしい時間を過ごす場所。そこはリビングダイニングと呼ばれる空間です。

ここがもっとも豊かであるべきで、外部の景色や光をたっぷり取り入れてあげよう。

温熱についても上質に。

食事の後はごろりと横になりたいと旦那さんが希望すれば、畳の仕上げの場所があってもいいでしょう。

食卓を囲んでだらだらと時間を過ごす家庭もある。それならダイニングテーブルに凝ってみましょうか?

ファミリーのスペースには何が持ち込まれるのか?それによって住宅の個性が出てくることでしょう。

真ん中に愛犬のためのゲージがあってもよかろうし(それは筆者のケースです)

書斎・パソコンスペースが充実しているケースや、オーディオのケースもありましたね。

れが正解というわけではない。その家族にピッタリで豊かで楽しい空間ができたとしたら、例え些細な何かうまくいかないことがあっても、家づくりは合格と思えてくるというものではないでしょうか?

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