日本の近代建築の父であるA・レーモンドは、「自然は人工より美しい。」と、自然主義を提唱しました。

我々もその気持ちは同じです。本物の木材を使うのは単純に「美しい素材感」が好きだからです。その素材のもつ肌触り、床の足触りの気持ちよさ。そして、香り。住む人の五感をくすぐり、ストレスのない空間を作り出すには自然素材は重要です。
もともと「休む」という感じは、木と人とがともにある状態を表現したものです。帰ってくると心の安らぐ家。そこにいるときもちのいい家にしたいものです。

また、木質素材に限らず、石、土、紙などの自然を感じる素材のテクスチャーにも、心が揺さぶられる力が秘められています。
こうした素材の適材適所考え、空間全体の品位を整えてあげることに、家づくりの面白みと深さがあると思います。

一方で、木材を代表とする本物の素材は、時間とともに古びていくとともに、美しく表情を変えてゆく。
まるで人間の成長のように、住む人の命のリズムに歩幅を合わせるように、一緒に落ち着きを見せていく。
そんな生き物(オーガニック)な存在だから愛着がもてるのです。
時間を刻み込みながら風格を増す、アンティーク家具のように愛着を増す住宅。
私たちの目指すところはそうした住宅です。

自然素材のちから

CONCEPT

脱サイディング宣言

新潟県内の新築現場で用いられている外壁材の8割は「窯業系サイディング」と思われます。コストが安く、工期が短縮できるので、作り手側に選ばれていると考えます。

一方で、お客様に外壁に何を望みますかと尋ねると、10人が10人、「メンテナンスに手間がかからないものを」とおっしゃいます。
となると、窯業系サイディングを張るというわけにはいきません。素地は吸水性があり、水を吸うと冬に凍害でダメになる。それを防ぐために表面に塗装を施してあります。
塗装によって品質が維持されているので、10数年サイクルの塗装工事が欠かせません。

住宅ローンを抱えている人が、別枠で100万円近い工事をするのは困難です。
建てる時のコストだけではなく、生涯のコストをなるべく最小にする。という観点からサイディングに頼らない、かつ自然の風合いの素材を選択しています。

脱サイディング宣言

杉板(外壁)

古くから新潟の住宅は広く杉板が用いられてきました。
杉板は水に強く、冬の凍害の心配もありません。しかし、自然素材なので雨がかかる場所は腐朽菌で劣化しますが、雨のかからない場所では極めて長持ちします。

・ウッドロングエコ(木材防護材塗装)仕上げ

カビを生えにくくすることで耐久性が向上します。木に含まれるタンニンを発色させるため、色落ちがしにくく、最初から古びたようなアンティークな風合いで緑との相性も抜群です。雨がかかるところは色が抜けやすいため、数年に一度再塗装し、お手入れをすると良いです。

・着色仕上げ

黒・赤・白などの木材保護塗料での塗装です。お好みでほしい雰囲気を手に入れることができます。時間とともにゆるやかに剥がれますので、美観上、気になるようになったら数年に一度再塗装をおすすめします。しかし、杉板の耐久性は塗装にすべてを依存しないので古びれ感を楽しみたいのであれば、そのままラフに使ってよいと考えます。
ウッドロングエコ仕上げに比べると塗装の手間がかかり、その分コストがかかります。

ウッドロングエコ(木材防護材塗装)仕上げ
着色仕上げ

そとん壁(外壁)

鹿児島の火山灰であるシラスを原料とするので色落ちがなく、凍害の心配もないメンテナンスフリーの素材です。製造過程において、石化燃料を用いない省エネ商品で、将来建替えで取り壊した場合でも土に還る究極のエコロジー建材です。豊かで温かみにあふれる素材感で、人間の手仕事の感じられる仕上がりがとても自然です。
コーディネート次第では、プロバンスの素朴な民家風にもなるし、現代的な和も表現できる、表現に幅のある塗り壁です。

そとん壁(外壁)
そとん壁(外壁)

無垢フローリング

一般に使われている「フローリング」と称されるものは、合板の上に0.2mmのスライスした板を張ったものです。こうした「合板フロア」は、表情が平坦で面白みがなく、時間とともに深まる味わいがない消耗品として、オーガニックスタジオ新潟は考えます。

素足でも足触りがよく気持ちの良い素材。 もちろん100%天然素材でシックハウスの原因物質もない。建ててから一生涯つかえる耐久性があり、住むほどに味わい深く表情が変化していく素材。人間の住むべきあたりまえの床仕上げとして無垢の床を考えます。

主流は寸法の安定の良さとから、フロアや家具としての王道ともいえるのがオーク。独特の斑(ふ)出るところが特長です。

材質が堅硬で、弾性のある良材となるものが多く、ウイスキーやぶどうの醸造用の樽(たる)材にもよく使われます。ヨーロッパでは最も愛用されてきた木材で、アンティーク家具のような風合いに変化していくことが期待できます。
そのほか、メープル・ウォルナット・パインなど、雰囲気に合わせてご提案させていただいています。

無垢フローリング

蜜蝋ワックス仕上げ

無垢の木材の表情と呼吸性と風合いを活かすために、ウレタン塗装は行わず、オリジナル蜜蝋ワックスで仕上げます。
社内で毎回手作りして、愛情をこめて塗布。独特の艶のる仕上がりと、配合したアロマオイルのほのかな香りに癒されます。

こちらはお引き渡し時には1ケースをプレゼントしています。家具やフロアで使用頻度が高い部分は油が抜けてくることがあります。そんなときにはオーナー様ご自身でお手入れしていただいています。

蜜蝋ワックス仕上げ

内装塗り壁

新潟県内の新築現場で用いられている内装仕上げの9割は「塩化ビニールクロス」と思われます。コストが安いという理由が全て原因といえるでしょう。 家づくりを写真やカタログだけで進めてしまえば、本物も偽者も写真写りではわからないことが大きな問題だと思います。

光の柔らかさや、さらっとした空気感など、人間の五感の要求を満たす素材感であるかを基準とし、ご提案しています。
そのなかで塗り壁の場合は珪藻土系のゼオライトエコナを選定しています。珪藻土にはVOC分解作用があり、シックハウス対策に効果があるからです。また、他人には気付きにくい生活臭までも消す働きがあります。しかし、珪藻土そのものは湿気の調整機能の働きは弱いことは案外知られていません。そこで、調湿効果の極めて高いゼオライトという鉱石を配合し、左官の施工性を大幅に改善する調合にすることでつくりあげた、洗練された「働く塗り壁」です。

内装塗り壁

和紙(小国和紙生産組合)

和紙は、自然の植物を原料としていて、木材と同様に呼吸する素材です。また、紙幣に用いられるほど丈夫な紙です。無作為に並ぶ木の繊維による光の和らぎが美しく、手漉きならではぬくもりは他ではまねの出来ないものがあります。木の繊維などを配合させたり草木染で着色させたりするなど、幅広く製作することが可能です。
柿渋で染めたものは特に摩耗に強くなるために、襖の表によく用いります。

和紙(小国和紙生産組合)
和紙(小国和紙生産組合)

製作家具・建具

引き戸・開き戸は、単なる出入り口ではなく、建築空間のデザインの質を左右する最重要な要素です。内部建具をオリジナル家具の扉と揃えると、ぐっと空間に統一感とオリジナリティが生まれます。オーガニックスタジオ新潟では、工場で作られた塩ビシート貼りの建具は使いません。どんなに間取りを工夫したとしても、どこかで見たようなチープな空間になるからです。特に、障子や引き戸を多用する建物は、敷居・鴨居を一体に納める必要があるので、建具も製作する必要があります。

また、下駄箱や食器棚は、家の中でも目を引くものであり、室内建具と同一のテーマに沿ってオリジナルに製作します。一つ一つ指示が出せるため、照明器具と一体にしたり、光や風を通すデザインも自在です。
オリジナル製作することで、ぐっと空間を「欲しい雰囲気」にすることができます。

製作家具・建具
製作家具・建具

製作キッチン

同様にキッチンも空間に合わせて作ってみましょう。
最近ではドイツの大型食洗機を組み込んでいることが多いです。
既製品と組み合わせることで、コストを抑えながらもオリジナルなキッチンにすることができます。

製作キッチン
製作キッチン

障子

障子を和風限定のものとして考えず、優れた建築要素として多用します。視線を隠し、光の和らげる。そして、締め切れば優れた断熱性で冷え込みも抑える。また、デザインが自由自在にコントロールできて、施主でも維持管理ができる。 木質系の室内との相性も良く、比較的コストも安いという優等生です。

障子

土間

より自然な印象にしたいときに用いる土間部分の仕上げです。左官仕事で目地なしで施工できるので、一枚の面としてのきれいな床になります。 天然砂利も無数にカラーバリエーションがあり、様々な表現が可能で、手仕事ならではの味わいもあります。 ざっくりとした三和土(たたき)風にも表現が可能です。

土間