5月某日、住まいnet新潟さんの取材で我らが設計部長の阿部さんの自邸「黒埼の家A」に伺ってきました。
私は新入社員研修として取材に同行し、普段の現場や引渡し前の完成ホヤホヤなお家では感じられない“リアルな暮らし”を五感フル活用で体感することができ、本当の意味での暮らしの豊かさとは何かを再認識する貴重な経験となりました。
緑で建物が見えない
現地に到着するとそこはまさに異世界。
大袈裟と思われるかもしれませんが、現代の住宅街でこれほどまでに緑が生い茂っていて建物を隠してしまうほどのお庭は、周りを見回してもなかなか見当たりません。
カーポートは建っておらず、あらゆる樹木が整ったバランスで佇んでおり、その隙間から程よく色褪せた杉板外壁や薪棚がチラリと垣間見えます。
あえてすぐには先に進まずに、自分の立ち位置を変えながら覗いてみたくなるような興味が沸き上がります。
庭が暮らしに与える影響
家づくりを始めると、お家のデザインや最新の技術・機能が搭載されたスタイリッシュな住設機器・家電をどれにしようか、はたまたモノはあまり置かずに(もしくは目立たせずに)キレイに暮らすことに意識を向けたり頭を悩ませがちです。
ですが本当に大切にしたいことは、たとえば木漏れ日や窓から入ってくる風を気持ちよく感じたり、お庭のバードプールに遊びに来る鳥を愛でたり、そんな何気ないことに気付き喜びを感じられるような日常こそが、本当に必要な暮らしの要素ではないでしょうか。
LDKには庭と一体に繋がる大開口があり、取材で来られた方は皆外を眺めてただただうっとり。
やはり庭や自然の持つ力はすさまじく、外観の佇まいや日々の暮らし、そして何よりも人の心を何倍も豊かにする力があることを思い知らされました。
取材中、吹抜のサッシからクマンバチが侵入してきましたが、それもまた自然と隣り合わせだからこそ目にする、微笑ましい光景でした。
自分たちらしく整え、飾り付ける
たまに「キャラクターものはインテリアの邪魔になるから出しておきたくない。」との意見を聞くことがありますが、阿部さん家のLDKに隣接する小上がりの畳スペースはお子さんの遊び場になっていて、好きなキャラクターのフィギュアやおもちゃがふんだんに飾られてありました。
それを見るだけで兄弟で仲良く遊んでいる光景が自然と浮かび、自分たちだけの大好きな居場所であることが伝わってきます。
キッチン回りの食器やカトラリーは、見せる収納にすることで取り出しや片付けがしやすく、そこに立つだけで料理をすることがワクワクしてきそうな整った収納の仕方がとても参考になります。
カウンター上に飾られた小物もかわいらしくセンスを感じます。
やはり本棚は本が収納される分だけ絵になりますね。
阿部さんの頭の中を覗いているような気分です(笑)
経年美化
新築時で満足度100点だとしても、日々の暮らしの中で自らお家のお手入れや庭いじりを楽しみながら実践していくと、満足度は愛着の分だけ120点、150点と向上していきます。
また、床や玄関ドア、外壁、ウッドデッキなどに使用されている自然素材は、時間とともに深い味わいとなり、新築時よりも美しい表情となります。
愛着を持って手入れをし続ければ、当然その分長持ちします。
本物の素材とは、そこに住む人の愛情や生活の仕方などの影響を受けながら時間とともに変化し、唯一無二となります。
このように考えると、床などについてしまった傷や汚れは、最初はショックを受けるかもしれませんが、逆にそれがよい味となり思い出として残り続けます。
小さなお子さんがいらっしゃる家庭は特に、幼い頃から自然(=本物)のものに触れ、人間が本来持つ感性を大切に育みたいものです。
最後に
阿部さん家には、オガスタが創業当初から現在までブレずに貫いてきた大事な要素が凝縮されており、終始ため息が出るほどの見ごたえがありました。
また、私自身これからオガスタでみなさまの家づくりや暮らしのサポートに携われることに、改めて深い喜びを感じた一日となりました。
このインタビューが掲載された最新号は、明日9月30日(火)に発売となります。
このブログでは書ききれない阿部さんが家づくりを始めたきっかけや家づくりに込めた想い、こだわりのポイントはぜひ本誌をお手に取ってご覧ください。
我らが設計部長の家、圧巻です!