日々お客様と接していると、いわゆる“平均的な家づくりの流れ”というものが見えてきます。
結婚後は、まず賃貸住宅で暮らしがスタート。
そのうち子どもができ、「そろそろ戸建て住宅を」と考えるご夫婦が多いものです。
ただ、親との同居は避けたい。
でも、子どもを預けたりすることもあるから、奥さんの実家の近くが理想。
もちろんご主人の通勤にも支障のないエリアで土地を探すことになります。
そうなると「土地購入費」が家づくり全体の予算に大きく影響してきます。
子どもができるタイミングは30代が多いため、年収もまだ伸びきっておらず、全体の予算は限られるのが現実。
結果として、広い土地は買えず、住宅も「4人家族が住めれば十分」と、30坪前後のコンパクトな住宅を選ぶことになります。
つまり、家づくりの動機は「子育て」が圧倒的に多いのです。
変わるライフステージと家のギャップ
しかし、月日が流れ、子どもたちは成長し、やがて独立して家を出ていきます。
「子育てのために建てた家」は、気がつくと夫婦2人だけの住まいに。
2階の部屋は使われなくなり、“空き部屋”化していきます。
ちょうどこの頃には、住宅設備もくたびれてきて、
「そろそろリフォームして、老後に向けた家に改装しようか?」という話になるのが一般的です。

人生には3つの住まいフェーズがある
人生には大きく分けて3つの住まいのフェーズがあると思います。
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子どもがいない時期(新婚・共働き期)
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子育て期(家族4人のライフステージ)
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子どもが巣立った後の老後
アメリカのように、ライフステージごとにベストな住まいへ住み替えできれば理想的です。
しかし、日本では中古住宅の流通が未成熟であり、子育てのために建てた住宅に無理して老後まで住み続けるケースが多く見られます。
その結果、老後の暮らしに合わない立地や広すぎる住宅での生活を余儀なくされてしまうのです。
これからの選択肢
もしも、中古住宅に“住宅性能に見合った資産価値”がしっかりと評価されて、売却できる市場があれば。
さらに、シニア世代向けの戸建て住宅が中古市場に豊富にあれば——
ライフステージに応じた住み替えも現実的になるでしょう。
また、若いうちに無理して新築を建てるのではなく、
予算を抑えて中古住宅をリノベーションするという選択肢もあります。
その分、子どもが巣立った後に、もう一度“老後のための家”を新築するという戦略も、今後ますます増えてくると思います。
そうなった場合、安心で快適な暮らしを手に入れようとするので、「性能向上リノベーション」が、未来の家づくりでは家づくりでは基本的な選択肢になっているかもしれません。
関連動画:
vol.14 知らないと損をする【性能向上リノベーション】
まとめ
“住まい”は一生に一度のものではなく、ライフステージごとに見直していくもの。
令和の時代には、その考え方が少しずつ広がってきているのかもしれません。
家づくりを人生ゲームの「すごろく」にたとえて、
その時々で“ちょうどいい住まい”を選べる世の中になっていってほしいと思います。

