大人だけの住まいづくりに、最適な選択肢とは?
かつて私たちのメインのお客様は、30代で賃貸暮らしをしていた子育て世代。
「そろそろ家を…」と土地を買い、マイホームを新築するというご相談が主流でした。
しかし、いま増えてきているのはまったく違うライフステージの方々です。
40代、50代。
子育てはすでにひと段落。
あるいは子どもはいない、もしくは成人して独立している。
これからの人生は、**「大人だけの暮らし」**をどう設計するか。
そんなお客様が、自宅を建て替えるか、それともリノベーションしようかで悩んで来られます。
築35年・40坪の実家を、どう生かす?
「この家、建て替えるべき?それともリノベーション?」
たとえば、築35年・40坪の住宅の場合──
新築に建て替えると、
- 解体費:約300万円
- 小さめ(30坪)に建て替えた新築:約3,500万円
→ 合計:約3,800万円
ざっくり予算でこれくらいかかるとしよう。
一方で、基礎や柱・瓦を活かしたスケルトンリノベーションなら、
- 新築コストの70〜80%程度
- 面積はそのまま40坪キープ
- 総額でも新築よりだいぶ安くなる可能性が高い
同じ予算で、「10坪広くて性能もアップした住まい」が実現できることもあるのです。
リノベーションが注目される理由
その背景には、建築費の高騰があります。
新築は年々高くなり、人気エリアの分譲地はそもそも数が少なく、価格も高止まり。
細切れの狭小地だったり、条件付き(工務店指定)だったりと選びづらさもあります。
一方で、いい立地にはすでに家が建っている。
ならば、その家をリノベーションして再生するという発想は、非常に理にかなっています。
でも…リノベは簡単じゃない
もちろん、リノベーションにはハードルもあります。
- 耐震性は?
→ 旧耐震基準の家はそのままでは危険。 - 間取りの古さは?
→ 「お化粧リフォーム」では現代的な空間にはならない。 - 本当に再生できる構造か?
→ 柱や基礎が直すに値するかを見極める必要がある。
ただし、新築と違って、リノベは「紙白からの設計」ではありません。
そのために必要なのが、建物診断(インスペクション)です。
既存の建物があるため、まずは簡易調査と概算予算の検討を行い、
その後に正式なインスペクションへと進みます。
新築一辺倒の住宅会社では対応できない
ここが重要なポイントです。
新築を「早く・安く・標準化して」建てることに特化した住宅会社では、
こうした柔軟なリノベーション対応は難しいのが現実です。
また、一般的なリフォーム会社でも、
耐震補強・断熱改修といった性能向上リノベには技術が及びません。
つまり、「建て替えるべきか?リノベで生かせるのか?」
この判断には、両方をちゃんと比較できるプレイヤーが必要なのです。
これから増える、大人だけの住まい再設計
これからの住まいづくりは、「ゼロからつくる」だけではありません。
特に40代・50代の方にとっては、
- 親から引き継いだ家を、どう生かすか
- 広すぎる家を、どう縮めて整えるか
- 夫婦だけのこれからを、どう快適にデザインするか
といったテーマが現実的な課題となります。
結論:どちらが正解かは「家」ではなく「暮らし」次第
建て替えもリノベーションも、
「暮らし方」から逆算すれば、おのずと答えは見えてきます。
家の性能も、コストも、使い勝手も、
本当に大事なのは「そこでどう快適に暮らすか」。
私たちは、お客様と一緒にどちらの道も中立に検討できる立場で、
“その人らしい住まい”を見つけるお手伝いをしています。