静謐の家「金衛町の家B」
設計:一級建築士事務所ma ヤマシタ マコト
監督:小林 秀昭
棟梁:小林 義宗
- コンセプト
- 敷地は日本海に近い成熟したごく閑静な住宅街で、前面道路も通過交通はほとんどない。
もともとこの地に建っていた住宅には緑の濃い庭があり、野鳥がよく集まっていたという。
穏やかなご主人と、賑やかで活動的な奥様とお母様。
大人3人が住まう家として、それぞれが個々の時間や趣味を大切にしながらも、
程よい距離感を持って仲良く暮らせる家のありかたを考えた。
落ち着きのある佇まいと上質な内部空間を目指した。
- 外観
- ファサードはシンプルな切妻屋根で、玄関先の土間を覆う低く深い下屋は一文字葺きの瓦屋根とした。
この下屋より上部の外壁は黒い杉板、下部は漆喰で白く塗られ、安定感がありつつも重苦しくはない外観としている。
正面の開口部は最小限として、通りに対しては寡黙な表情としている。
- 内観
- 建具と造り付けの家具に囲まれた主室は、目に映る木の面積が多く、適切に開けられた開口からは隣家の緑も取り込んで、落ち着いた雰囲気がある。
前面道路に面する南側の開口には簾戸が用意されていて、また庭との間には5尺ほど奥行きの土間があり、庭の緑と相まってちょうど良いフィルターになる。
南側の上部は吹き抜けとなっており、白い壁に反射した柔らかな光が降りてくる。またこの吹き抜けは夫婦のために設けられた二階のセカンドリビングと繋がっている。
四畳半よりもやや広い程度のセカンドリビングは、就寝前の夫婦が寛げるよう畳み敷きとしている。吹き抜けとは障子で仕切られるようになっている。
- 建築データ
- ◆敷地面積:60.01坪
◆延床面積:38.25坪
◆Ua値:0.32
◆空調方式:床下エアコン暖房+2階壁掛けエアコン冷房
◆太陽光パネル:6.88kw搭載
- ひとこと
- 新しい家に住んだら、わたし家事はもうしないの!
とおっしゃっていたお母様が、ますます元気に家事をされるようになって、たいへん喜ばしく感じています。

































