早朝の散歩は気持ち良い。朝と夜は冷えるため、羽織ものがあるとちょうど良い。
初日から最高潮に達したため、昨日は20時頃にはバタンキュー。
グッスリ眠って超回復。今日からローマ市街地の探索だ。


宿泊地はテルミニ駅の近くで、少し歩けばローマ四大聖堂の一つ「マッジョーレ協会」もある。
一旦ホテルに戻り朝食を腹十二分に詰め込んで、いざ出発だ。

早速、マッジョーレ協会の入口正面へ。紅魔館の外観みたいな雰囲気だと一瞬思った。
出る頃には行列ができていたため、最初に訪れて正解であった。


奥の豪華絢爛な祭壇へ、Symmetry(対称性)の要素らが続いている。
この要素は、私にとって大切な美的感覚のひとつであり、
その中に感じられる連続性がたまらなく魅力的だ。
昨日訪れたサンピエトロ大聖堂にも負けず劣らず、天井も立派に装飾されている。


ステンドグラスを透過した光に円柱が照らされていて、ああ綺麗だな~と思った。
教会建築において、ステンドグラスは設置する方角がだいたい東と決められているが、
その設置箇所による工夫が、今まさに効果を発揮しているのだと感じた。


少し歩いてデッラヴィートリア教会へ。
比較的小さな協会だが、ここにも素晴らしい作品が眠っている。
ちなみにこちらも無料で入ることができる。

ベルニーニの傑作「聖テレジアの法悦」
最高のタイミングで来れたのではないか。
上部の隠し窓が最大限に金箔を照らし、まさに降り注ぐ光のようなかたちになっていた。
同じ大理石を彫っているのに、それぞれ別の質感を醸し出しているのも素晴らしい。
構図の完璧さも写真からでも十分伝わってくる。

例のごとく、天井のフレスコ画も荘厳な雰囲気だ。
取り囲んでいる天使像なんかは今にも降ってきそうであった。


初っ端から刺激的な作品を見たが、ローマは街を歩いているだけでも楽しい。
こんな感じで先が見えないように建物配置がされている場所もあり、
この先にどんな景観が続いているのかと自然に足を運んでしまう。
しかし石畳を歩きまわるのは結構疲れるので、スニーカーが適していると感じた。

観光スポットとして有名な「トレビの泉」へ来た。
コイン投げをしようとする列は、写真に映りきらないほどの長い行列となっていた。
彫刻作品も近くで鑑賞したいなと思ったが、この辺はスリも怖かったので程々にしておいた。
夜もかなりの賑わいであったらしい。


首をクルクル回しながら歩いて「スペイン広場」へ到着。
日中はかなり暖かくなるため、10月中旬でも半袖の人もチラホラいた。
平日ですが、この広場も流石の人混みができていますね。
本場のPRADAもさらっとパシャリ。


こちらにもベルニーニが彫刻した噴水が。
聖なる水を!と水筒に汲んでおく。硬水・軟水問題もここで触れておく。
私はふつうに水道水を汲んで飲んではいたが、特にお腹が緩くなったりはしなかった。
ただシャワーに関しては、いつも以上に髪が抜け落ちていてショックであった。
個人の体質によって変わってくる問題であるとは思う。


さらに北上していくと「ポポロ広場」にたどり着く。
北からローマを訪れる人が最初に辿り着くのが、この広場らしい。
ごめんなさい、ポポロ協会は残念ながら入れませんでした。

来た道を振り返ると、そこには双子の教会が並んでいる。
この教会を境に、ローマ市街地へ進む道と、バチカン市国へ向かう道とに分かれるという。
つまり、私はローマ市街地までの道を逆から歩いてきたわけだ。


そしたら次は巡礼者たちと同じルートを辿ってみよう。
ということで、テヴェレ川沿いを歩きつつ、最高裁判所まで到達。
橋からはサンピエトロ大聖堂のドームも良く見えていた。


そしてついにサンタンジェロ城へと到着。
城の頂上にそびえ立つ大天使ミカエル、橋に並ぶ10体の天使像。
なんかもう最終決戦の場に来たような感じだ。

天使像はベルニーニとその弟子たちが作ったものだが、このうちベルニーニ作の2体は
完成度が高すぎるゆえ、雨ざらしになんてできるものかと判断され、
レプリカに置き換えられたらしい。ベルニーニすごーい!

写真撮影を求めてきたイタリア人に親子と勘違いされた。
記念に私たちも撮影してもらった。なんとなくのジェスチャーと簡単な英語で通じたが、
もし困ったとしてもグーグル翻訳で何とかなるから便利なものだ。
そのうち瞬間翻訳イヤホンとかも当たり前になってくるのかな。


巡礼者と同じルートはあそこまでで、私は引き返すようにして「ナヴォーナ広場」へと到着。
彼らが最終的に辿り着くサン・ピエトロ広場は楕円形をしており、
その周囲を4列に並んだ円柱の回廊が取り囲んでいる。
あの設計には、長い道のりを歩んできた巡礼者たちを、マリア(母)が両腕を広げて
迎え入れるというそんな象徴的な意味が込められているという。ベルニーニすごーい!!

お腹いっぱい感はあるかもしれないは、彼の有名作「四大河の噴水」も共有しておきたい。
この二日間で集中的に芸術ばかりに触れていたせいか、途中でいわゆる“芸術疲れ”が発症。
協会も彫刻も絵画も全てがありがたく見えてきて、脳が祝福されすぎていた。
けれど不思議なもので、数日後に振り返ると「あれはやっぱり凄かったな」
「また観たいな」なんて思ってしまう。

これは旅行に限った話じゃないと思う。たとえば食事だって同じだ。
私は炭水化物が大好きで、たらふく食べて「もう当分いいや」と思っても、
二日後にはまた普通に大量に米を炊いている。
結局のところ、欲ってものは減らない。
むしろ増えていく欲こそが、自然な原動力なんだと改めて感じた。
ということで次はローマでの食事についても触れていこうと思う。
続く。。。

