先日、新潟市のある区の環境課にお勤めの方と話す機会がありました。
いわゆる「市民からの苦情」って、どんな内容が多いんですか?と何気なく聞いたら、想像以上に“暮らしの現場”が詰まっていていました。
冬に増える苦情は「薪ストーブの煙」
寒くなると増えるのが、薪ストーブ絡みの苦情だそうです。
- 近所で薪ストーブの煙が急に増えた
- 明らかにひどい匂いがする(合板っぽい)
- 乾燥が不十分な薪で黒い煙がモクモク
- 洗濯物が干せない、窓が開けられない
- なんとか注意してくれ、という通報

本来、薪ストーブはちゃんと使えば燃焼がきれいで、煙も匂いもかなり抑えられる。
それなのに、注意をしに行くと「昔からこれでやってるから問題ない」とごねる人もいるらしい。
……これ、すごく分かるんです。
本人の中では「昔からの当たり前」でも、周りの環境は変わっている。
住宅も密になり、換気の取り方も変わった。昔の“常識のまま”だと衝突するんですよね。
薪ストーブで揉めないための現実的なポイント
薪ストーブを否定したいわけじゃありません。むしろ、私は好きです。
ただ、導入するなら“趣味”ではなく“設備”として、正しい知識で近隣に迷惑の無いように使ってもらいたい。
私のユーチューブチャンネルで、薪ストーブの動画が伸びてます。
vol.148 薪ストーブのリアル🔥 費用・選び方・維持の全てを専門家が解説!
導入時に「ご近所に一言」「運転の説明」「燃料ルール」を整えるだけで、トラブル率はグッと下がります。
ぜひ、その迷惑おじさんは、私の動画を見るようにだれか伝えてください(笑
逆に夏に増えるのは「空き家の管理」苦情
そして夏になると、圧倒的に増えるのが空き家関連だそうです。
特に多いのが庭木・雑草の管理。
- 隣が空き家で何も管理されていない
- 背の高い雑草が伸びて薮になっている
- 木が伸びて自分の家の敷地に迫ってくる
- 見た目も防犯的にも不安
意外だったのは、「ゴミ屋敷」のクレームは思ったほど多くない、という点。
数が少ないのか、あると強烈すぎて別ルートで大問題化するのか…
その辺りは分かりませんが、少なくとも日常的に多いのは“管理されない空き家”なんだそうです。

空き家は「建物」より「庭」が先に揉める
空き家って、倒壊とか、建物の心配が先に来がちですが、近隣が一番困るのは案外、庭の荒れだったりします。
空き家を持っている側も、悪気がないケースが多い。
相続で急に持つことになった、遠方に住んでいて頻繁に行けない、
仕事や介護でそれどころじゃない…。事情は様々です。
でも、近隣は事情を汲み取ってはくれません。
環境課とすれば、「では持ち主に連絡を取って注意します」と返答し、
調べてみれば相続登記を怠っている・・・・。
大正時代のままだとか、そういうのがざらだという。
相続登記がようやく義務化になりましたが、50年遅いんじゃないのか?
日本の行政は先を読むのがヘタで、対処療法でツギハギツギハギでやってきたのが、
今の日本の閉塞感を引き起こしていると感じました。
そして最近の環境課は「獣」とも向き合っている
今年は熊のニュースが目立ちました。
2025年、今年の漢字も「熊」でしたしね。
でも、聞いた話で印象的だったのは、猪(イノシシ)の件でした。
山から川沿いに降りてきて、里まで出てきて、交通量の多い道路に現れ、
6台の車に次々とはねられて…最後は壮絶な最期を迎えた猪。
体長は1.2mにも及ぶメスの大物。
その処理の連絡が環境課に入る、という現実。熊だけが危険じゃない。猪も十分に危険です。
オスは牙があり、突進して人間を引き裂きます。
もちろん畑も荒らします。
気候変動の温暖化なのか、山に餌がなくなったのか、
野生動物が、生活圏に入ってくる時代になっているのを感じます。

冬の風物詩…の裏側で「白鳥」と鳥インフルの緊張感
さらに冬は白鳥の対応もあるそうです。
弱ってぐったりしている白鳥の通報が毎年入るとのこと。
怖いのは、渡り鳥なので鳥インフルエンザの可能性があること。
車にはねられたなど外傷がはっきりしていればむしろ安心材料になるけれど、
原因不明で弱っている場合は厳重装備で保護し、
鳥獣保護センターへ運ぶ──そんな話でした。
新潟市のあちこちに「白鳥がいる冬景色」は美しい。
太平洋側の人が冬の新潟平野を見ると驚くでしょう。
でもその裏で、現場は衛生リスクと隣り合わせ。
これもまた、新潟の暮らしのリアルです。

結局いちばん“世相”を映すのは、空き家問題かもしれない
匂いの苦情が多いのかな?と思ったら、そうでもないようです。
一番の問題として浮かび上がってくるのは、やはり空き家。
人口構造、相続、地域の維持、防犯、景観。
空き家の苦情って、ただの「迷惑」じゃなくて、
社会の変化がそのまま形になって出てきている気がします。
環境課の方のお話は、社会そのものを切り取っていて興味深かったです。
