新潟県聖籠町、川沿いの252坪という広大な敷地を活かした平屋のお宅へ、住まいネット新潟様の取材同行で伺いました。

新潟市に比べて雪の多い聖籠町。この日もしっかりと雪が積もり、黒塗装の杉板外壁が白銀の世界にどっしりと映え、威厳すら感じる佇まいでした。

◼️玄関から始まる、設えの美学
ポーチから玄関に入った時点で感じたのは、本物素材の上品さとインテリアの設えが素敵であること。


程よい余白を持ちながら一点一点のこだわりを感じるインテリア。
小物たちの設えが素敵で、とても勉強になります。
大谷石を敷いた淡いグリーンの玄関に暗い色の式台。
この式台は設計士と施主さんが名木屋へ足を運び直接選んだものだそうです。

こういう板は少々歪な形をしていた方が魅力的に感じます。自然の生命力を感じるからなのでしょうか。
とても薄い和紙が貼られた建具を通して玄関に優しい光が入る。


◼️「いらない」はずだった薪ストーブが、生活の重心に
玄関に入ると外の寒さとは対照的にポカポカ。
薪ストーブ…最高です。

設計開始時点で施主さんは薪ストーブを入れる希望はなかったのだそう。設計士・阿部がご夫婦との打ち合わせを進める中で提案されたとのこと。
当時は「手入れが大変そう」、「自分たちに使いこなせるか?」など不安だったそうですが…初めての冬を迎えて、今では本当に満足しているそうです。

窓から広がる雪景色、パチパチ薪がはぜる音に耳をすまし、ゆらめく炎を眺め、焼き芋を焼いたり…最高ですね。
今年のお正月はテレビを見るより炎をみていたそうです。
薪ストーブで体が温まると、薄着で外に出てもしばらく体が冷えませんでした。これが遠赤外線で芯から温まるということなのでしょうか?数字上の「室温」だけでは測れない本物の暖かさなのだと実感しました。

◼️「旅館かよっ!!」と突っ込みたくなる、極上の造作風呂
もう一つの大きな見所は十和田石と桧の造作風呂。旅館かよっ!!と思うお風呂。これが自宅のお風呂なのだから驚きですよね。

ちなみにこちらも薪ストーブ同様、施主さんが希望したものではなく、設計を進める中で設計士から提案されたそうです。
青みがかった十和田石の肌触りと、湯気とともに立ち上がる桧の香り。 日常に癒しを感じられ、とても満足されているようです。

潜在的な嗜好を汲み取って、それを提案する。設計士との信頼関係ができており、実際に施主さんが住んでみて満足している。期待を超える提案がされていると感じました。
◼️和室と書斎の落ち着く空間
大空間のリビングの横には独立した和室。リビングから和室につながる床は名栗加工されており足から空間の変化を感じられます。畳、塗り壁、明るすぎずとても落ち着く空間。


和室の反対側にご主人の趣味であるレコードや書籍が並ぶ書斎。リビングの開放感とは対照的に書斎の心地よい密閉感が落ち着きを感じさせます。

◼️猫ちゃんへの愛が、空間に溶け込む
この家は、ご夫婦と愛猫のための住まいでもあります。家づくりの中で猫ちゃんへの愛も深く感じられます。寝室に設えたキャットステップ、各所にあいた猫の通り道。猫ちゃんは恥ずかしがり屋でこの日は隠れていましたが、普段はキャットステップや通り道を使いお気に入りの場所を見つけてこの家を愉しんでいるようです。

ご夫婦の落ち着いた雰囲気、品の良い素材、上品にまとまったインテリア、家全体の雰囲気がとてもあっていて心地いい空間でした。違和感を全く感じない心地よさというのでしょうか。
雪のおかげで、薪ストーブの魅力、「冬の暮らし」の豊かさをより深く感じられた気がします。 朝早くからの除雪作業、そして温かい取材協力、I様本当にありがとうございました。

