今年の社員研修は東北を巡る旅【②日目】
二日目は、初日宿泊地の山形県の蔵王から移動し、岩手県の平泉へ向かいました。
旅は新品だらけの都市よりも、古い場所を訪ねるのがよいといわれます。新品よりも古びた中古品、古物があったほうが健全だということで、旅の行先は古ければ古いほどよいのだと。文化はむしろ「中心から遠いところ」に生まれて形になるのではということもあり、今年の行先は東北です。
二日目の内容です。
1.中尊寺
2.わんこ蕎麦屋で昼食
3.毛越寺浄土庭園
4.観自在王院跡
5.達谷窟毘沙門堂
6.鉛温泉藤三旅館
1.中尊寺
奥州藤原一族は、砂金採取の地場産業だけでなく、北方異民族との交易で財を蓄えました。東北産の馬は軍馬として、動物の皮や鳥の羽は馬具や矢羽として。兵器産業が巨額の利益を生むのは今に通じます。
ふもとの入口から800mほど歩いて登ったところに「金色堂」はありました(写真撮影不可)。
宝物館でも国宝の数々をしっかり見られました。

全面金箔貼りの「金色堂」を風雨から守るために建てられた「旧覆堂」が、何ともよかった。現在の金色堂は鉄筋コンクリート造の建物の中でガラスショーケースに覆われていますが、当初は木造の「旧覆堂」に覆われていました(敷地内の別の場所に移築)。

「旧覆堂」。

「旧覆堂」内部。無柱空間。
2.わんこ蕎麦屋で昼食
山形では名物の「肉蕎麦」をいただきましたので、岩手では「わんこ蕎麦」です。

3.毛越寺浄土庭園
ここには「浄土式庭園」があります。浄土式庭園とは、大きな「池」のある庭園と「阿弥陀堂」があり、静止した大池の水面にお堂が映り込むという形式です。浄土式庭園としては、日本では10円玉に刻された京都・宇治の平等院鳳凰堂が有名で最も美しいといわれていますが、平泉・毛越寺の浄土式庭園のほうがより優美だという評もあります。
浄土式庭園にとって大切なものは庭園の「池」です。平泉の池は日本最大級でスケールが大きいのが素晴らしい。大池に流れ込む小さな川は『作庭記』にしたがって作られたそうですが、ソレをはるかに超えている。握りこぶしより大きな黒い丸石を敷き詰めた大池は、海を模して造られています。権力の中枢であった京の藤原氏とも兵器のやり取りを介して強い関係を構築しましたが、海路を使って京都だけでなく中国大陸や東南アジアとも貿易をしていたため、奥州藤原氏一族にとって海の存在は日常的だったようです。
平泉・毛越寺では、かつて存在した庭が記録をもとに復元されましたが、すべてを元通りに直すことをせず、あえて一部は失われたままになっています。大池にかけられていた橋もないし、肝心の阿弥陀堂もない。平泉・毛越寺の歴史をみると、阿弥陀堂や橋が焼失してからの時間のほうが圧倒的に長く、数百年もの間この場所を訪れた人たちは、目の前に無いものを想像しながら眺めていたということになります。ポカーンと眺めがちですが、ここでは見えないモノを観測するという、なかなか不思議な時間を体験しました。

日本最大級の浄土式庭園。阿弥陀堂も橋もなく、静止した池の鏡に木だけが映る。想像で観る。
4.観自在王院跡
コチラも浄土式庭園ですが、毛越寺と同じく「阿弥陀堂」の存在しないあっけらかんとした庭園。イマジネーションが要されます。ついついポカーンとしていたら、雁の一群の渡りが見られました。進む方角は、雁の聖地、宮城県の伊豆沼・内沼方面へ。

あっけらかんとした浄土式庭園の遺跡。

雁の一群。
5.達谷窟毘沙門堂
岩穴(石窟)に建てられた「懸造り」の仏堂です。同じ形式としては、鳥取県の「三徳山三佛寺の投入堂」や大分県の「龍岩寺」があります。

6.鉛温泉藤三旅館
お宿は岩手県・花巻にある温泉旅館へ。渓流を眺めながらの露天風呂がありました。二日目はスケールの大きさを感じました。みなさんおつかれ様でしたー!




