週末はリビングで珈琲を。シンプルスタイル「緑町の家」
週末はリビングで珈琲を。シンプルスタイル
設計:ma ヤマシタ マコト
監督:小林 秀昭
- コンセプト
- コーヒー好きの家族のための建替え計画である。
この穏やかな家族にどのような家がふさわしいのかを考え、『コーヒーミルのような家』にしたいと思った。小さく、控えめでありながら機能的。住宅地にこの家がそっと置かれたときに絵になるような、その通りの家並全体が締まって見えるような、そんな家になればと考えた。
- 外観
- 国道から少し奥まった住宅地にひっそりと佇むシンプルな切り妻屋根の2階建て住宅である。
ほぼ総2階建ての単純な形である。道路側正面にはガルバリウム鋼板の黒い切妻フレームの中に杉板をはめ込み、きりりとした表情を持ちながらも、固くなりすぎない印象を目指した。杉板部は、スノコ状に横に張り上げたファサードラタンとした。この面は、夏に西陽が当たるため付加断熱とし、さらにファサードラタンは外壁の温度上昇を効率的に抑えてくれる。ファサードラタン面は袖壁から1.5尺ほど下げてあり、夕暮れ時には独自の陰影が浮かび上がる。
- 内観
- 南側の隣家と隣家の隙間から、視界が抜ける位置に主室(リビング+ダイニング+キッチン)を配置し、そこに一間半の幅の大きな開口を設けた。これにより、密集した住宅地にあって、空と隣家の庭の緑を取り込むことができた。主室のとなりには小さな畳スペースが用意され、広がりとそれぞれの居場所をつくりつつ、一体感のある空間となっている。ダイニングには施主こだわりの丸テーブルと座面の広いチェアのセットが置かれ、庭の緑を眺めながら、ゆったりとコーヒーを楽しむ家となると思う。
一階、二階とも充分な広さの納戸を用意し、集中管理型の収納としている。
- 空調計画
- 暖房は一階床下エアコンで、冷房は二階床下に設置された階間エアコンで行う。適切な位置に暖気・冷気の取り出し口を設け、必要な箇所にはブースターファンを用意している。
換気は階間に設置した熱交換換気扇で行い、新鮮空気は階間に開放されて、温度調整された空気と一緒に居室に供給される。