センターリビングと灯りの食卓「長場のリノベ」
設計:阿部 誠治/監督:小林 秀昭
- コンセプト
- 家族構成の変化と共に継ぎ足し継ぎ足し、機能性と居住性を無視して増殖した住宅を「暮らしやすくて快適」な住宅に再構築したリノベーションです。アプローチ、方位性、外部へのつながりを重視してプランを一新しました。
自然光を十分に取り込むことで明るく気持ちの良いリビング、囲まれ感のあるダイニング。回遊できる実用性の高い動線と収納の連動。天井高に変化を持たせた抑揚のある断面構成にしています。
- 外観
- 雨漏りの原因となっていた複雑な入母屋造りの玄関を撤去し、シンプルな外観に整えました。
同時に玄関位置を利便性の高い位置へと変更。
旧来の玄関は最小限の面積とし築60年の母屋へつながるサブエントランスに変更しています。
外壁は杉板のウッドロングエコの仕上げとし農村集落に違和感なくなじむような佇まいとなっています。
南側に大きく軒を張り出すことで庭とつながる気持ちの良いウッドデッキを設けました。
- 内観
- 玄関からパントリー、キッチン、ダイニングへと一直線でつながる実用性の高い回遊動線を組み込んでいます。
センターリビングは既存の階高を活用し高天井とすることで開放感を生み出しています。
南側の庭とリビングのつながりが希薄だった旧来のプランを一新し、リビングと庭をつなげる大開口とその間に懐の深い中間領域を設けました。
中間領域であるウッドデッキは庭へと気軽につながり、視線はさらにその先の土手へと抜けていくとても気持ちの良い場所です。
ダイニングスペースは既存の雁行したスペースに収めることで囲まれた安心感をもたらす居場所となりました。
漆喰の仕上げは建て主さんによるDIYです。程よく手仕事感のある素晴らしい仕上がりとなっています。
玄関からリビングへと向かう動線上の曲面の壁は陰影を美しく表現しながらリビングへと自然に意識が向かうような仕掛けとなりました。