のびやかに暮らせる家「亀田中島の家」
のびやかに暮らせる家「亀田中島の家」
設計：阿部 誠治 監督：野口 一弥
- コンセプト
- 54坪のコンパクトな敷地の中で、生活をすっきりと整える家。
この家は“壁そのものを収納として機能させる”ことで、日用品や食品、趣味の道具までを自然に整理できるようにしています。
収納によって生まれた室内の余白は、視線を窓の外へと導きます。
南の庭、植栽に囲まれた西側デッキ、遠くの借景。
家の中と外がひとつにつながることで、敷地以上の広がりを感じられる住まいです。
この家は「片付く家」ではなく、“のびやかに暮らせる家”。
壁面収納と景色が生活に軽やかなリズムを与えます。
- 外観｜オガスタグレーと陰影で落ち着いた表情
- 外観はシンメトリーの家型に下屋を添えた落ち着いた佇まい。
外壁はオーガニックスタジオ新潟オリジナルカラーの「オガスタグレー」を採用し、陰影が美しく街並みや庭の緑に静かに馴染みます。
西側開口部にはアウターシェードを設置し、夏の強い西日を外部で遮蔽。室内環境をやわらかく整え、快適性を高めています。
南面には日射取得と庭とのつながりを生む開口を、西側には畑や借景の抜けを取り込むコーナー窓を配置。
素材と形態の対比により、小さな敷地でも閉じすぎず、開放感のある立ち姿としました。
- 内観｜壁面収納と視線の抜けで生まれる余白
- 玄関から続く裏導線には手洗・トイレ・食品庫を効率的に並べ、
食品庫と連続する造作家具はキッチン側で食器棚としても機能。
生活必需品が整うことで、室内に自然な余白が生まれます。
キッチンはⅡ型。
立つ位置に応じて異なる景色が楽しめる設計で、シンク側からは庭の植栽、コンロ側からは遠景や借景が望めます。
食堂南側の窓はベンチと一体化し、リビングのコーナー窓は西への視線を抜けさせることで、内外の一体感をつくります。
南に張り出すデッキは、植栽に囲まれたセミプライベート空間として活用可能です。
2階は、階段正面に畳のフリースペースを配置。
趣味、読書、来客の宿泊など多目的に使える居場所です。
子供室は南側で日当たり良好、寝室はゆったりとした7畳で西側の景色を確保。
クローゼット・ランドリー・脱衣・浴室への回遊動線を設け、家事の流れがスムーズになるよう計画しました。
