新潟市の液状化対策工事をめぐる議論と私の提言

新潟の風土
admin

能登半島地震で新潟市内でも液状化が発生し、西区の黒埼・寺尾や江南区天野など約250ヘクタールが被災しました。市は地下水位を下げる大規模な対策工事を検討していますが、工事費の一部を住民が負担する方針を示したことで議論が紛糾しています。

その様子がUX21でニュース報道がされて、記事になってます。
【特集】〝住民負担〟めぐり広がる波紋「安心して住めない」新潟市の液状化対策の工事費【新潟】

液状化対策工事を巡る議論と私からの提言

液状化は一度起きれば繰り返し発生し、資産価値を確実に落とします。実際、記事にもある通り「子ども世代が液状化を理由に別の地域に家を建てた」という例が現実に起きています。
裏を返せば、対策工事を完了できれば「資産価値を維持・向上できる」ということ。これは地域にとって極めて大きな意義があります。

受益者負担の原則は避けられない

工事費用の97.5%は国庫補助、さらに市も一部を負担。
残るわずかな割合を住民に求める・・・・・これは受益者負担の原則として当然です。
新潟市の財政は決して豊かではなく、空き家対策・高齢化対応など他の課題にも予算を振り分けなければなりません。かつての「豊かな日本」とは違い、今は住民も自分たちの地域を守るために一定の負担を担う覚悟が求められています。

合意形成の難しさ

しかし、現場での合意形成は容易ではありません。

  • 高齢化で取りまとめ役が不在
  • 「お金がないから全額公費で」という声
  • 「継承者がいないから払う意味がない」という考え

こうした少数意見が全体合意を妨げ、結果的に工事が実現できないリスクが大きく、このままだとほとんどの自治会で工事がされることがないのではと懸念されます。

私の提言:リバースモーゲージ型の支援を

ここにこそ、新潟市の政策的な知恵が必要だと考えます。

私の提案は「リバースモーゲージ型の市サポート」です。

  • 反対する世帯は「お金は無いが土地はある」状態。
  • 黒埼エリアなどは、液状化対策が完了すれば再び人気が高まるポテンシャルを持っています。
  • そこで、新潟市が、資金のない人を対象に「相続時精算」型の仕組みで、必要額を立て替え。
  • 工事ブロック全体の予算を確保し、地域全体で前進できるよう支援する。

こうすれば、資産を持つが現金余力のない世帯にも参加の道が開き、全員合意の壁を突破できます。

未来のための試金石

全額公費でやってもらうというのは、やはり甘えではないかと思います。
いま合意形成ができなければ、将来その地域が「スラム化」するリスクを孕んでいます。
地盤の安全性を放置すれば、若い世代はますます流出し、資産価値は下がり続ける。
液状化対策は「目先の安全」のみならず、「地域の将来」を左右する事業です。

液状化対策工事の地域コミュニティでの合意作業を通じて、住民の叡智が試される試金石です。
行政と住民が現実的な解決策を模索し合い、未来へ投資する仕組みづくりを望みます。

 

関連記事も併せてお読みください。

新潟西区の液状化被害からどう立ち直るか?

 

になって
お得な情報をGETしませんか?

  • 会員限定資料一式を無料送付
  • 家づくりに役立つ最新情報を無料配信
  • 会員限定人気記事を無料公開
  • 会員限定e-BOOKを無料公開
登録はです!