吹き抜けに集まる家族の声「小針の家F」
吹き抜けに集まる家族の声
設計:一級建築士事務所 ma ヤマシタマコト 監督:阿部 傑 大工:遠藤 勇一(遠藤建築所)・星野 徳博(Hokuhare工房)
- コンセプト
- 敷地は新潟市西区の住宅地の一角。
通りを挟んだ公園は少し高台となっていて、針葉樹を中心とした木々の緑を望むことができる。
午後になると、公園には子供たちが集まってきて賑やかな声が響いてくる。
施主からの要望は、大きな吹き抜けを持つ居間と、適度に塀に囲まれた安心して過ごせる庭、そしてその庭に面した屋根の架かった半屋外空間だった。
吹き抜けの充分な気積に家族の気配が滲み出し、またこの気積を介して家族の視線が庭や空に抜けていくような家を目指した。
さらに、公園から常に見下ろされる家として、通りに対して端正かつ安心感のある表情を作る必要があると考えた。
- 外観
- 二寸勾配の切妻屋根の架けられた寡黙な木の箱。外壁は黒く塗装された杉板縦張りとし、玄関ポーチ周りのみを白いそとん壁とした。重厚感を持たせつつも、公園からは重すぎる印象を与えないように考慮した。
アプローチの入り口の角はルーバーとして、立面に変化をつけるとともに外物置の目隠しとしている。夕方になると、ルーバーの隙間から行灯のように光が漏れる。
- 内部空間
- 玄関ドアを開けると、正面にはオクメ羽目板が張られた赤い壁があり、その手前にはストリップ直線階段が添えられて、印象的な玄関ホール 兼 階段ホールになっている。階段の左右には同じデザインの框戸があり、どちらも主室に通じている。
主室(居間+食堂+台所)は22.5帖の広さで、そのうち居間部分の上部は12帖ぶんの広さの吹き抜けで、低いところでも約4.5mの高さがある。天井は屋根勾配そのままの勾配天井としている。
この吹き抜けに面して、二階の主寝室のカウンターや子供達の学習コーナーを用意した。またそれぞれの居場所から吹き抜けを介して外の様子が伺える位置に開口を設けた。
大きな吹き抜けを見渡すようなキッチンはセパレート型で、複数人での調理がしやすいように計画した。キッチン脇の外部には7帖ほどデッキスペース(外居間)が設けられている。外居間は低く深い屋根と壁に囲まれている。
一階の奥は和室で、天井高さと開口高さを低く抑えて、籠もれる部屋とした。
二階は個室群で、表通り側に並んだ子供室の窓からは公園の緑が飛び込んでくる。
二階の一番奥は2帖ほどの読書室で、狭いながらも本に囲まれる居心地の良い空間になっていると思う。
- 規模・性能
- ■ 延床面積 47.40坪(うち 屋外デッキ3.5坪)
■ 木造在来工法 二階建て
■ Ua値:0.33W/㎡K
■ 太陽光パネル
■ 長期優良住宅認定
■ 耐震等級3
■ 床下エアコン1台、冷暖房用エアコン2台
- ひとこと
- 打ち合わせ時はお施主様が遠方にいらしたということで、オンラインでの打ち合わせが主体となりました。
そのため、お子さんたちは竣工後に初めてこの家を見ることになり、引越し時のみなさんの喜ぶ姿が印象に残っています。














































