高窓の平屋「豊栄の家A」
設計:塩谷 英一 監督:阿部 傑
- コンセプト
- 横浜から新潟へ移住されたご夫婦と老犬のための住まいです。建主は鍼灸業とコンサルティング業を営んでおり、職住一体の新たな暮らしの拠点となります。敷地は福島潟近くの住宅地。オオヒシクイや白鳥などの渡り鳥が越冬する場所であり、頭上近くを飛行する姿を日常的に見ることができます。この土地ならではの特別な風景であり、「新潟」という地域の環境性を強く感じさせる場所です。横浜でのマンション暮らしから一転し、環境を大きく変えることもあり、新潟では「地面や風景に近い暮らし」を感じられるよう平屋をご提案しました。二台分(+α)の駐車スペースと庭を確保しながら、必要十分なサイズにまとめたコンパクトな住まいです。新潟の気候に応答しながら、風景を取り込み、小さくも職住一体の中で多様な居場所をつくれる平屋を目指しました。
- 外観と庭
- 周囲には住宅が整然と並んでいることから、視線を空へ向けることを意図し、横長のハイサイドライトを大きく設けました。これが平屋の屋根から立ち上がる外観となっています。庭には、建主自ら地元の植木屋を巡りながら選定した植栽が植えられる予定です。釣り好きのご主人と料理好きの奥様の暮らしに合わせ、植栽はすべて「食べられるもの」で構成されています。低く構えた家は空と庭へ視線を開き、暮らしを外へと広げていきます。この家は小さな平屋ということで、身体と環境が近いといえます。低く地面に近いことへの歓び、庭や風景へ暮らしが広がっていく自由を感じられる住まいとなるよう期待しています。
- 内観
- 平屋は「地面」と「屋根」が生活に近い存在となります。一枚の床は地面と連続するように庭とつながり、架構は屋根を支えるための構成として素直にそのカタチを目に見えるように現し、日本の民家のような力強いあり様を見せています。ロフトと吹抜けによって家全体が立体的につながり、屋根の架構がどこにいても感じられる空間となっています。連続した登り梁は楔(クサビ)と木栓で柱に固定しています。吹抜けを介した高窓からは渡り鳥が飛行する風景が切り取られ、暮らしの中に季節の移ろいが取り込まれるよう配慮しています。
- 規模・性能
- 敷地面積:58.53坪(193.90㎡)
延床面積:22.50坪(74.52㎡)
構造:木造在来工法 平屋建て
Ua値:0.32 W/㎡K
C値:0.2 ㎠/㎡
太陽光パネル:5.28 kw
耐震等級3
床下エアコン暖房+壁掛けエアコン冷房





































