オガスタ物件からみる 外皮性能と燃費性能の関係
オガスタの14期の1年分の住宅の性能を、3つの指標で一覧でまとめてみました。
2022/7~2023/6の期間で完工する建物の統計です。
左がQ値。かつての断熱性を表示する数値です。
真ん中がUa値。現在の断熱性能を表示する数値です。
最後が暖房負荷。(Kwh/㎡)
新潟の場合は、冷房負荷は少ないので無視してます。
Q値は、1.0を切っているのを着色して目立たせた。
Ua値は、G2をクリアしてる性能のものを目立たせた。
暖房負荷は20Kwh/㎡を切っている低燃費のものを目立たせた。
これでわかること。いずれの建物もほとんど断熱仕様が同じなので、極端な性能の差はありません。
この3つの数値から、「Ua値が良い良いから、暖房負荷が小さい」とは限らないと感じます。
(Q値とは相関性があるように見えますが)
一定性能以上の外皮性能になると、実燃費はパッシブ設計により影響を受けることを意味します。
以前にも同様な表を公開しましたが、平均としておおむねHEAT20G2グレードです。
関連記事: HEAT20 G2 が推奨できる断熱性能
3軒ほどQ値が1.3を超えている建物がありますが、いずれも小型物件や設計が平屋っぽい特殊なケースになります。
西方設計の分析
これについて、西方設計さんがBLOGで記事にしていましたので引用します。
「最高等級7の窓を大きくするとUA値は下がるが、
窓からの熱損失より日射取得が大きく、
暖房消費エネルギーや体感の性能がアップする。
しかも費用対効果が優れている。」
窓は壁よりもU値が悪いので、日射取得を多くしようと窓面積を大きくすると、
燃費性能は向上するが、外皮性能が悪くなる。
我々の経験則では、Ua値0.28程度が 燃費と建築コストで最強となるようです。
松尾設計はG2.5オシ
若干の主張の観点は異なりますが、松尾和也氏も断熱性能は
「G2.5クラスがベスト」と主張していて、これは対談動画で公開してます。
だから 我々は一貫して、「建物は燃費で比較しましょう」と主張しておりますが、
なんだか SNS情報では、外皮性能と気密性能で終始している。
ウクライナ紛争で燃料費の爆増、電気料金の爆上げで、
今年こそ、本当に燃費のいい家を消費者は望んでいるのだから、
そろそろ 燃費の世界へみんないらしてください。