一番エネルギーを使うのは実は給湯
エコハウスで断熱性をやるだけやったならば、
次にエネルギーを削減するために避けて通れないのが給湯エネルギーです。
これは網川原モデルハウスで生活した場合の1次エネルギーの内訳です。
HEAT20G2レベル(等級6)でパッシブ設計なので、基準住宅(等級4)よりも、冷暖房エネが1/4になっている。こうなると削減余地がなくなってきて、ダントツで一番エネルギーを使っているのが給湯で、家電調理も含めた全使用量のうち 実に44%が給湯エネという計算結果になりました。
電気代高騰で消費者の悲鳴が聞こえてくる近ごろですが、もっと給湯エネ削減に注目してもいいと考えます。
給湯には3つのお金を払っている
お湯を作るためには、水道水も必要ですし、
利用した水道料金に比例して、下水料金も発生します。
もちろん、給湯エネルギーは、低性能の並みの家(等級4クラス)でも、必要な暖房エネルギーと
同じくらいのエネルギーが必要です。 エネルギーを使えば当然光熱費が掛かります。
ですから、お湯を削減する事は、3つの公共料金を削減することにつながります。
そのため、エコハウスの建設においても、
お湯の使い方について考える必要があると言えます。
給湯エネルギーを減らす4つの技
さて、世界各地でのお湯の使われ方と比較して、
日本人はどのようにお湯を使っているのでしょうか?
実は、日本は温泉文化が根付いているため、
お風呂に入る機会が多いことが特徴です。
しかし、それに伴いお湯の使用量も多くなります。
特に、家庭においては、諸外国ではシャワーが一般的ですが、
日本では、お湯をためた浴槽に浸かることが好き。
とうぜんお湯の使用量が非常に多くなります。
では、どのように給湯を
削減するのがいいのでしょうか?
まずは、お風呂に入る頻度を減らすこと。
春夏秋のシーズンは、入浴で体を暖める必要が薄いです。
シャワーで体を清め、お湯の使用量を抑えます。
私も特に暑い夏などは、わざわざ入浴などは不要だし、入浴を日常での必需品と考えず、
週1で日帰り温泉やサウナで楽しめば、
オンとオフの差が出てくれて、より楽しめるのではないか、と考えます。
特に高性能住宅で、冬でも家じゅうの設定温度が高めな人などは、冬でも入浴頻度は下げることが可能でしょう。
さらに家庭では、
節水型のシャワーヘッドにするのも効果的ですね。
新築時に住設メーカーの標準品でもある程度の節水型のヘッドに切り替わってますが、シャワー中心生活に切り替えようとしている人は、さらなる上位品への切り替えを検討してもいいでしょう。
食器洗い機を導入する
食器洗い機を導入することで、給湯を減らすとされてます。
家庭での利用状況により個人差が多いようですが、特に世帯人数が多い人はメリットが大きいです。詳しくは、リンク先を参照: 手洗いよりもエコ。食器洗い機のオススメ
ソーラー発電で昼にお湯を沸かす
近年では、ソーラーパネルの設置も増えてきています。
今までは原発の余剰電力で、深夜電力でお湯を沸かしていたエコキュートでしたが、
現代の社会では、ソーラーの自家発電の電力で昼間にお湯を沸かす。
「おひさまエコキュート」でまかなう方法もあります。
直近の弊社での提案でも標準採用としており、新築時のスタンダードになっていくようです。
まとめ
① 入浴頻度を見直す
② 節水シャワーヘッド
③ 食器洗い機の導入
④ おひさまエコキュート
この4つの合わせ技が最強の組み合わせでしょう。
省エネのための行動 18項目
環 境 省が、家庭からの二酸化炭素排出量の推計に係る実態調査を行い、
省エネのための推奨行動を 18項目提唱してます。
これもかつて記事にしているので、興味のある方はどうぞ
リンク先:省エネのための行動 18項目
おまけ: 太陽熱給湯機は残念な結果に
この記事の作成に当たり、CHAT GPTに、給湯エネルギーを減らす方法を聞きました。
そのアンサーの1番目が、エネルギー効率の高い給湯機器の使用でした。
エコキュートやハイブリッド給湯機の導入: 約20-40%の1次エネルギー削減
高効率ガス給湯器の使用: 約15-30%の1次エネルギー削減
太陽熱給湯システムの導入: 約40-70%の1次エネルギー削減
無料の太陽熱を使うわけなので、太陽熱給湯機が一番効率がいいはずで、屋根乗せの太陽熱給湯機という方法もあります。
しかし、1990年代に、当時の業界最大手の会社が、強引な訪問販売で、国民生活センターに、年間5000件もの消費者の相談が寄せられるなどで社会問題化し、イメージ悪化してしまいました。
設置工事費用が光熱費削減で、何年で投資回収できるかで比較すると、ソーラー発電で創エネして、
エコキュートを使ったほうが、家計には有利になるので、さらにすたれてしまいました。
原理としたら一番の省エネな設備なのですが、ちょっと残念な話しではあります。