猛暑時の室内。サーモ画像で「快適を可視化」する

住環境・健康
相模 稔相模 稔

新潟市はもう何週間も雨が降っておらず、
連日35℃近い猛暑で溶けてしまいそうです。

温暖化の影響で地球が沸騰しています。


「坂井の家」で完成内覧会が終わった次の日に
竣工撮影を行い、同時にサーモグラフィー撮影も行いました。

今まで冬の状況の撮影を行ってきましたが、
夏に撮影したことがあまりありません。

昨今、夏の冷房の快適性について、
日本人はかなり意識が高くなってきていますので、
快適さを可視化してみました。

猛暑の新潟市で、小型エアコン1台での全館冷房

撮影日8月7日11時。
気象庁のデータによると、気温35.4℃。快晴です。

日向で5分程いると、死にそうな位暑い。危険な暑さです。
その時に室内はどうなっているでしょうか?

昨日から、エアコン設定温度を
26℃にしたまま連続冷房しています。

お客様と竣工検査と役所の完了検査で、
私たちを入れて6人の人間が
出入りしている状況で撮影しました。

屋外のサーモ画像

建物は、道路方向が南東方面。
外壁の杉板に直射日光が がつんと当たっております。

FLIR(サーモ)のゲージは0℃から50℃で固定して、
快適温の25℃付近が緑になる設定になってます。


杉の板が真っ白に変化していて、
60℃近くまで温度が上昇しているのがわかります。
石畳が1番熱くなっていて、
駐車している車の屋根が74℃。
卵焼きができる位の高温になってます。

1番温度が低いのが基礎の立ち上がり部分で35℃位。
気温と同じ温度です。

玄関外の様子

2.5メートルの奥行きのある軒に、
1階の外壁が守られて幾分涼しくなっていて、
それでも漆喰の壁表面温度は39.3℃です。

玄関室内の様子

2階リビングなので、
1階の玄関ドアを開けるとホールがあって、
廊下から右側が子ども部屋と寝室という間取りです。
1番奥が書斎になってます。

検査の関係で、全て照明器具を
つけていたのが悔やまれて、
最高温度がそちらに引っ張られます。

なので、画像は緑色がどう
分布しているかを見ていただいて、
画像の中央部分の温度に注目してもらいたい。

ホールの突き当たりの書斎は25.9℃。
外よりも10℃位低くて、
室内に入ると命が救われる感じで 極楽です。

一階子供室の様子

子供部屋の室内も25.9℃。
1階は奥と手前の温度差がゼロです。

トリプルサッシのガラスが一番表面温度が高いですが、
それでも30℃は行っていない。

2階リビングはガラス張り

2階のリビングの東と南が
ほぼ全てガラス窓になっています。

ほぼ全てトリプルガラスの造作フィックス。
中央部の1枚だけがスライドするようになっています。

この住宅のスペック

この住宅は、付加断熱でHEAT 20グレード3適合。
換気等の目張りをしない状態で、
完了時に気密測定をした結果、C=0.48
中間検査はしてませんが、
0.3 は余裕で切っているはずです。

ほとんどすべての窓がリビングに集中している。
普通の住宅であれば、
これだけのガラス張りの空間に
真夏にたたずむ事は不可能でしょう。
暑くていられません。

しかし、この空間は
暑い輻射熱を感じる事はありません。

サーモグラフィーで見ると、
室内を貫通してる梁の温度が
室温と同じと思われて27.2℃
中心のトリプルガラス表面が29.3℃。

外の屋根のくり抜かれたところから、
わずかに直射日光がガラスに当たっていて、
そこが熱くなっていて、37.8℃。

窓に日が当たるか当たらないか?

日射遮蔽が大変重要だなぁと
分かる写真になってます。
そのクロースアップです。

造作FIX窓の実力

造作フィックスなので、
フレームからの熱損失がなくて、
スライド窓の周りがわずかに、
他のフィックスよりは熱が侵入していますが、
31.4℃で収まっていて、
ガラス温度+2℃でかなり軽微です。

別の角度から。
スチールのブレスが
熱くなっていないのも確認できます。

床から換気の空気循環をしているので、
その部分が1番温度が低いのも確認できます。

キッチンの様子

キッチンはほとんどモデルハウスと
同じような対面式キッチンになっています。
中央の温度は27.3℃。
ガラスに囲まれたリビングと、
ほとんど温度差がありません。

一番裏手の様子

キッチンの裏がサニタリースペースに
なっていまして、ここが26.7℃。

今まで表示していた温度は、
ほぼすべて壁の表面温度になるわけです。

1階と2階を含めた、
すべての部屋の温度差が1℃もありません。

ロフトの2.8kw小型エアコンで全館冷房


この住宅の冷房は、
2.8KWの能力の8帖用の小型エアコン1台を、
ロフト付近で設定温度26℃で動かしている状況です。

サーモグラフィーで確認すると、
エアコンは17℃の冷気を
吹き出しているのがわかります。

室温マイナス10℃と言われてるのが
ここでほんとだなと確認できます。

ロフトへ上がるストリップ階段から、
1階へ、23.8℃の空気が階段から
降りている様子が画像になりました。

1階の階段の様子

冷たい空気が重力で下がっている
様子がよくわかります。

アクティブ全館空調でなくパッシブに

大手ハウスメーカーあたりが、
家全体をダクトで冷気を送って、
全館空調で室温を均等にしようとしますが
これが動力を用いたアクティブ空調です。

機械送風を伴うので電力も消費するし、
大風量での送風で音もやかましい。

この住宅では空気の重力を利用して
機械送風がなく、家全体の温度差をなくしています。
パッシブな空調であることがわかります。
もちろん より省エネです。

朝まで爆睡できる家にする

1階は寝室になるわけですが、

エアコン冷房はなくて26℃を維持します。

天井の輻射熱も、冷たい風も、
エアコンの音も全くない状態で、
朝まで爆睡できる。

うらやましい環境が実現できてます。

暑さで寝苦しい家では、深夜に目が覚めてしまい疲れが取れません。

「夏バテ」とは、睡眠の質の低下で

疲れが累積してしまう結果ではないでしょうか?

朝まで爆睡できる寝室のついて解説した動画を

リンク貼っておきますのでよろしかったらどうぞ。

 

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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