1. 四季とともに暮らす、わが家のウッドデッキ
私たちが手がける住宅には、気持ちの良い軒下空間が必ずあります。
わが家も例にもれず、大きなウッドデッキを設けました。
夏には子どもたちがプールではしゃぎ、秋には七輪を囲んでサンマを焼き、
春先には庭仕事の合間にデッキでコーヒーを楽しむ時間も。
干し柿を吊るしたり、洗濯物を干したりと、この中間領域には四季折々の楽しみが詰まっています。
家族の暮らしとともに、少しずつ味わいを深めていくような場所です。
2. 「愛着に勝るメンテナンスはない」
● 正直、予想外でした
正直なところ、屋根付きのわが家のデッキはノーメンテでも十分もつと思っていました。
けれど、屋根なしで風雨にさらされながらも、定期的な洗浄と塗装で美しく保たれているお客様のデッキを見て、驚きました。
「こんなに違うのか」と。
↑屋根なしだけれどしっかりとメンテナンスされている築10年のウッドデッキ
↑屋根ありメンテなしの築11年の我が家のデッキ
手をかけることで、木部はしっかり応えてくれる。
その実感から、「愛着に勝るメンテナンスはない」という言葉が自然と出てきました。
3. オガスタの素材へのこだわり
● 無垢材と蜜蝋ワックスの歩み
オーガニックスタジオ新潟では、創業当初から室内の無垢フローリングに自家製の蜜蝋ワックスを使ってきました。素足で歩いたり寝転がったりする床だからこそ、自然由来で安全な素材を選ぶという考え方は、今も変わりません。
美味しそすぎて舐めちゃってる4台目蜜蝋ワックス職人の石川君
● デッキにも、同じ安心を
ウッドデッキもまた、子どもたちが裸足で遊び、大人も素肌で触れる場所。
だからこそ、石油系ではなく、安心して扱える自然素材の塗料があってほしい。
そう感じたことが、OSDW(オガスタデッキワックス)をつくるきっかけでした。
4. 自然由来のウッドデッキ塗料を、自分たちの手で
● 強烈なにおいのない、子どもと使える塗料を
「クレオトップ」などの石油系塗料を使われている方も、実際には多くいらっしゃいます。価格も手ごろで、板塀や枕木など、エクステリア用途としては理にかなった選択だと思います。
ただ、ウッドデッキとなると話は別です。
素足で歩いたり、子どもが寝転んだり、時には乳幼児が舐めてしまうような場所。
そうした場面を思うと、石油系のにおいや質感に、どこか抵抗感が残るのも正直なところです。
ウッドデッキは、外構の一部というより「暮らしの延長」。
だからこそ、もっと安心して扱える塗料が必要だと感じました。
● 自然由来の成分で開発スタート
植物性オイルと天然ワックスを主成分としたウッドデッキ塗料をつくれないか。
撥水性や防カビ性を確保しつつ、自然な木の風合いを活かせるよう配合を重ねながら。
香りも穏やかで、小さなお子さんとも一緒に安心して使える仕上がりを目指します。
5. 自邸での検証とモニター協力
● まずは、自宅と社員宅で実験だ!
完成した試作品は、まず自宅のデッキで実際に塗ってみました。
においの強さ、肌ざわり、塗りやすさ、仕上がりの風合い…。耐久性の面で考えると顔料は入れたい。それでいて自然な風合を失わないように。
before
after
もう少し色味と塗りやすさの調整が必要そうです。。。
改良したものを大越邸でトライアルしてもらおう!
6. 家族行事になるようなメンテナンス文化へ
OSDWは、ただ木を保護するための塗料ではありません。
休日に家族でデッキに出て、楽しく手を動かす——そんな風景が自然と生まれるような、
「使って気持ちのいい道具」を目指しています。
暮らしに寄り添い、素材を生かし、住まいに関わる時間を心地よく。
今後はオガスタオーナー向けにお届けできるよう、改良を重ねていきます。
ご興味のある方は、ぜひお気軽にお声がけください。