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海の博物館・志摩観光ホテル ・伊勢神宮 /伊勢旅編

相模 稔相模 稔

今年の秋の社員旅行は、三重の伊勢、そして奈良へと、
3泊4日の歴史探訪の強めな建築研修旅行になりました。

伊勢のメインの目的地は、もちろん伊勢神宮。
伊勢へは、新潟からは行きにくいため、私も人生で初めての伊勢詣になりました。
ずっと参拝したいと考えていて、ようやく夢が叶った。

伊勢への道中、ランチタイムに旧上野市庁舎へ寄る。
坂倉準三が設計した、モダンな庁舎。解体して建て替えが予定されていたが、
保存を公約に掲げた、今の市長の当選と住民投票で、保存活用が決定。
図書館とホテルへとリノベ中。

 

伊勢の初日は、内藤廣さんの出世作である「海の博物館」

伊勢に来たならば、こちらへの建築巡りは必須である。
切妻の和瓦屋根で、極めてシンプルな単なる箱のような建物だが、
展示ニーズを満たすために、かなりボリュームが有る。

内藤さんの作品は、現役の建築家で一番好きかも。
真骨頂は構造を意匠へと昇華させ、シンプルで寡黙な空間を作り上げること。

その配置と、高低差をうまく建物とからませたランドスケープ。
大断面集成材やRCでの構造アーチで表現された内部空間と展示物との関係。
そしてコストコントロールへの配慮等、大変見応えがある。
さりげないディテールデザインも意図を推測するのが楽しい。

ルイスポールセンのエネグマのようなデザインの、
巨大な照明器具が用いられている。博物館のためのデザインでオリジナルだろう。
これも、コストと空間への効果に優れている。

 


伊勢に来たからには、伊勢海老を食べないと。たまちゃんと名付けた6800円也。
いけすで泳いでいるのを活け造りしたので、皿から出ようと歩く様は残酷だが、
我々食べているものはすべて命のあるものであることであることへ思いがゆく。

ホテルは、2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」の会場となったことで、世界中から注目を集めた「志摩観光ホテル」の、著名な建築家・村野藤吾氏が設計した「ザ クラシック」

村野藤吾がデザインしたと思われるオリジナル照明。
内藤さんのしごとにしろ、やはり、その場にふさわしいものとはなると、照明はオリジナル化されるべきなのだろう。

和紙作家が手掛けた照明の壁は、2016年のサミットに合わせて製作されたのだろう。

階段のディテールの塩谷さん解説。めちゃくちゃ凝っている。

RCの建築であるのに、木造に見せようとしている。
根元のある丸太を用いて、自然であるし「接地性」を強めている。
モダンは「浮遊性」であるが、その逆の安堵感を感じさせている。
カーペットデザインも、塗り壁の錆鉄のような、洗い出しのような表現をしていた。


部屋からの眺めと、朝食会場の様子。
大変気持の良い光景が広がる。

さて、2日目は朝から念願の伊勢神宮参拝だ。

伊勢神宮は、日本の歴史上、最も参拝者が多い場所ではないのか。
江戸時代には特に人気があって、特に60年に一回とされる「おかげ参り」「抜け参り」の年には、半年未満で約460万人、最大で年間500万人が伊勢神宮を訪れたとする記録が残っています。
当時の日本の人口の約6分の1にあたる規模でした
人口比率で言えば、今年の大阪万博の来場者に匹敵する。
それが1つの神社に押し寄せるのだから、とんでもない人気ぶりだったことがわかりますね。

この日も多くの参拝客が集まっているが、不思議なほど外国人の観光客が少ない。
これは近隣のアジア2国の来訪者が、もっとも日本的な聖地であるから訪れないのが影響しているのではないか?

駐車場から境内へ続く道すがらでも、霊的な空気へと変わっていくのを感じる。
植え込みに、直径20センチはあろう、巨大な白いキノコが輝いて出迎えている。
「ここやばいところだわ」
八百万の神が、あちらこちらにおられるのを感じられる。

自然な参道うを歩いていく途中で、五十鈴川の縁に出くわす。
参拝者は、この清らかな流れで、身も、心も清めてからてく。

式年遷宮は言うまでもなく、20年に1回、社殿を隣の場所へと新築される。
伊勢は、海が近く、そのため湿度が高い。
茅葺き屋根は、住宅ならば、煙が常に炊かれて燻されるが、
ここは祭典の場であって、ただ朽ちてゆくだけのかやぶきである。
住宅なら40年の風化が、20年程度でちょうど良く朽ち果てて、
新築されて清らかにまた再現される。

式年遷宮は、ここに来る前には「もったいない」と感じていたが、
茅葺きの劣化を物差しとすると、システムとしての持続性に合理性があるようにおもう。

古代人の平均寿命は40年くらいではなかったのか?
20年のサイクルは、一つの世代で、技術や文化が引き継がれていくためのサイクル。
それにより文化は継承できてきたのがよくわかる。

感動したのは、次の遷宮のために残されている用地の清らかさ。
全体の地勢全体から発せられる気を強く感じられるこの場所を古代人は選んだのだろう。
何とも言えないオーラに満ちていて、感じ入って、自然と涙が流れていた。

*私はスピな人間ではないのだが・・・・・
単なる空き地を見て、このように心が震えたことはかつてありません。
写真ではこの「気」を表現できない。 その場で感じるしか方法はありません。

日本人の自然観。
自然によって生かされていることを強く感じ、感謝の念が自然と湧いてくる。
それが神道というものだ。伊勢神宮に参拝すれば、自然と腹落ちする。
日本に生まれてよかったと感じる。

参拝が終わったら門前に、『おかげ横丁』と『おはらい町』という場所があります。
そこでは、伊勢志摩の「グルメ」や「みやげ」が楽しめるお店がたくさんあります。
旅行者にとって、並んでまで食べるのは時間のロスになるので、素早く食べられる伊勢うどんはありがたい。

讃岐うどんとは異なり、コシがなく柔らかい極太の麺に甘しょっぱいタレがかかっている。
コシのないうどんなんて不味くない? と思っていたが、食べてみるとこれはこれで悪くない。

 

相模 稔
代表取締役

相模 稔

オガスタの社長。 工務店経営のほか講演活動なども行う。 アメブロ「おーがにっくな家ブログ」もよろしく。

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