OWNERS COLUMN & INTERVIEW

オーナーズコラム&インタビュー

vol.10 やぎ、生まれました!

自然と暮らす
りえりえ

ついに子ヤギが生まれました!

春ですね。
2月の下旬に我が家の庭の、雪の下からふきのうとうとスノードロップが可愛い顔を出し、春がやってくる〜!!なんて喜んでいたのも束の間、ムスメの卒園・入学&ぼうずの入園の準備や説明会、集まりなどで、どんどんスケジュールが埋まっていき、春がやってくるのを楽しむ余裕もなく3月を駆け抜けておりました。

そんな中、ヤギのきのこの出産予定日である3月22日も近づき「いつ生まれるんだろう…」とソワソワした気持ちも重なり、忙しいのに加えて心落ち着かない日々。

家での夫の頭の中はヤギ一色となり、朝起きてはようちえんへヤギの様子を確認し、仕事から遅く帰ってきてもヤギの様子を確認しにいき、出産を見逃すまいと神経を張り巡らせていました。その甲斐もあり、無事出産を見届けることができたのです!
…と言いたいところですが、そこは生き物ですから、こちらの思うようにはいきません。ドッタバッタの「子やぎ誕生」までの一部始終をご報告したいと思います。

出産までのドタバタ生活

まず、ヤギを飼い始める前に、聞いていたことは、ヤギは出産予定日がほとんどずれることはなく、日中に産まれる。ということ。

そして、やぎの出産の兆候は、
●食欲がなくなり大人しくなること
●ちゃんが降りてくると後ろ足の骨がげっそりへこんで見えてくること。
と教えてもらっていました。

夫はその兆候を見逃すまいと仕事が忙しいにもかかわらず、毎日すき間時間を見つけてはヤギの様子を見守る日々。
私も「予定日がズレないなら、22日に産まれるんだ!」と思い込み、仕事をお休みまでして、産まれるのを見守るつもりでいました。

3月22日 (出産予定日)

ところが、予定日を迎えても、一向に産まれる気配がありません…。
私たちのヤギの先生、今井さんも様子を見にきてくれましたそうですが「まだだな〜!」と一言残して帰っていきました。と、ようちえんの先生から連絡を受けて
「えっ…?予定日ずれないって言ったじゃん……。」と戸惑い、また、夜中に産まれることもある。という話しまで出てくる始末…。
「え…?話しが違うじゃないの……。」「私たち出産見れるの…?」と不安がよぎりました。

3月24日 (予定日から2日が経過)

私たちの期待を軽やかにスルーして、予定日が何事もなく平和に終わり、本格的に「一体、いつ生まれるんだろう…」と気を揉みはじめること予定日から2日過ぎた24日。
キャベツの葉を美味しそうにモリモリ食べるきのこを見て「明日は無いなっ!」と3回言って帰っていったという今井さんの言葉と、全く兆候が現れないきのこの様子から、気を張り巡らすのもほとほと疲れていた私たち。

翌日の25日はムスメの卒園式ということもあり、気を許すどころか、すっかり油断していました。

3月25日(予定日から3日が経過) ようちえんの卒園式

いつもなら、朝には必ずきのこの様子を見にいく夫がその日は行かなかったのです。

ずっとソワソワした落ち着かない日々だったのを忘れるかの様に、とても穏やかなのんびりした気持ちで、ムスメの卒園という晴れの日の準備を整えていました。
ムスメの長い髪の毛を、晴れやかな日にふさわしく整えてあげようと洗面所で髪の毛を濡らした瞬間、リビングに響く夫の騒がしい声。

「えっ!!!!もう出てるっ?!!!!」
「すぐ、行きますっ!!!!!」

詳しく聞かなくても、何のことを言っているのかすぐ分かりました。
出てる…ということは、身支度を整えている場合では……ナイっ!!!
ぼうずを除く家族全員が瞬時に判断し、おのおの必要最低限の身だしなみを整えて、すぐさま車に飛び乗りました。
電話を受けてから1分経つか経たないか位の時間だったと思います。
ムスメの髪の毛はびしょびしょです。拭いている場合じゃありません。
幸い、ようちえんと我が家は車で5分の距離。
ようちえんに豪快に車を停めて、ヤギ小屋へ一斉に猛ダッシュです。

きのこの苦しそうな鳴き声がのどかな里山に響き渡っていました。

小屋の中へ入ると横たわって苦しそうに鳴くきのこ。
おしりを見ると、出ていますっ!羊水の膜に包まれて赤ちゃんヤギの前足が。
「がんばれっ!!!きのこっ!!」夢中で応援していました。


↑おしりから出てきています。顔、わかりますか?

この間にも、先生から連絡を受けて、ぞくぞくとようちえんの子ども達がきのこの出産を見届けようと集まってきていました。

命の尊さを知る出産シーンに、子供たちも立ち会い

前足と一緒に口が確認でき、きのこの大きい鳴き声と同時に頭がズボッと出てきました。
その瞬間、大人も子どもも「出たー!!!!!」と大騒ぎです。
「出産を静かに見守ってあげましょうね。」と今井さんから言われていた言葉は、だれの頭の片隅にも残っていません。
頭が出てきてから1分後くらいだったと思います。
再び、きのこの大きい鳴き叫び声と同時に体が一気にヌルっとでてきました。
と同時に、パチンと羊水の膜も破れて、あっという間に赤ちゃん、誕生です!


↑生まれた直後、羊水でびしょびしょです。

「生まれたーーーーー!!!!」「きゃーーー!!!」「おしっこたれてるーーー!!」各々の感想を口に出し、生まれたあとをどうしてあげればいいのか分からずオロオロしているところに、ようやく今井さん登場です。

きのこは赤ちゃんが生まれると、すぐさま羊水でビショビショに濡れている赤ちゃんをキレイにしてあげようと一生懸命ペロペロと舐めてあげていました。その様子は産まれたばかりの我が子が気になり、可愛くて仕方がない様子です。

その様子を見て、きのこ、お母さんになったんだなぁ。
とホッとするのと同時に、「きのこすごいよ。頑張ったね!」と尊敬の気持ちがわき起こりました。

私も2回出産を経験していますが、私は生む方で、出産を見守ったことがなかったので、見守る側の気持ちを初めて経験しました。
きっとみんなこんな風に心配して、応援して、喜んでくれたのだろうな。
と、みんなの気持ちのありがたさを今になってあらためて気づきつつ、母となったきのこの姿を嬉しく見つめました。


↑生まれて1時間後。まだ歩くのもおぼつかない子ヤギちゃん。

きのこは、2匹赤ちゃんを生んだのですが、私たちが到着し、一匹目の赤ちゃんが生まれるのを見守りはじめてから生み落とすまでの時間はたったの3分。
となると、電話を受けてから、およそ10分ほどの出来事だったと思われます。たった10分とは到底思えないほど、長くドラマチックな出来事でした。

ヤギを飼い始める当初から、私たちのことを良く知ってくださっていたオガスタの高橋さんに「コラムを書きませんか。」と誘っていただいたとき
高橋さんに「りえさんちのドタバタ生活を、私たちだけでニマニマ見ているのがもったいないと思いまして。」と言っていただいたことを思い出しました。
振り返ると、このヤギのきのこの出産劇も、つくづく我が家らしいドタバタだったな…。と思います。

きのこが頑張って赤ちゃんを産もうと鳴き叫んだ必死な姿を忘れることはありません。
命の誕生というのは尊いものですね。
ほんとうに素晴らしい一日でした。

りえ

りえ

三条の山裾680坪の広大な敷地の小さな山荘に暮らす30代主婦。夫はアウトドアメーカー勤めの、おっとり系アウトドア派。2人のこども、2頭のヤギで繰り広げる、新潟の四季と暮らす生活を綴ります。

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