OWNERS COLUMN & INTERVIEW

オーナーズコラム&インタビュー

vol.18 今年もやらなきゃ。季節の手仕事。

新潟に移住してから始めたことがあります。

季節の手仕事です。

新潟には道の駅や、野菜や果物を売る直売所がたくさんあり、都会で暮らしていた頃よりも、旬のものがずっと身近になりました。

それもあって、季節の手仕事欲もメラメラと湧いてきて、今振り返ると、いろいろ作ってきたと思います。

買えばすぐ手に入るものを、時間をかけて自分で作る。

タイパ、コスパ重視の現代。
効率だけを考えたら、まあまあ現代に向いていません。
でも、自分で仕込んだものは特別おいしいし、愛着も湧いちゃいます。

今回は、そんな季節の手仕事のお話です。

▲友人たちと一緒に味噌仕込み

我が家は干し柿工場

毎年作っているのが干し柿。
縁側の軒先に、毎年「干し柿カーテン」ができあがります。

この家に引っ越してから、なぜか渋柿がいろんなところからやってくるようになりました。
「今年も採れたから、どうぞ」
「うちでは食べきれないから、よかったら」
そんな感じで、渋柿がやってくる。

もはや柿のほうから、我が家を干し柿工場として認識しているのではないかと思うくらいです。

いただいた渋柿は、渋抜きして食べたり、皮を剥いて干し柿にしたりします。

友人と一緒に、ひたすら柿の皮を剥く時間も楽しい。
黙々と手を動かしながら、
「またこの季節がやってきたな〜」
「そろそろ雪囲いしなきゃな〜」
なんて話していると、季節がカレンダーではなく、こういう作業でやってくるような気がします。

……とはいえ、去年は大変でした。

雨が続いて、干し柿がほとんどカビてしまったのです。
「今年の冬のお楽しみが……」と、かなりショックを受けました。

そして、その悲しみをSNSでつぶやいたところ、
「うちにあるよ」
「よかったら食べて」
「まだあるから持っていくね」
と、いろんなところから干し柿が集まってきました。

干し柿を失った悲しみを、干し柿で埋めてもらう。
なんということでしょう。
結果、ホクホク。

こういうのも、田舎あるあるな感じで最高だなと思います。

お歳暮はキムチ

もう、私と言ったらキムチ。

このコラムでも何度かキムチが登場していますが、キムチは私にとって、もはやコミュニケーションツールになりつつあります。

お隣さんと仲良くなったきっかけもキムチ。

私が習ったキムチには梨が入るのですが、去年、お隣さんが新潟名物の洋梨・ル レクチエを入れたキムチを作ってくれました。
これがもう、感動的なおいしさ。

こうやって、作ったキムチを交換したり、いつもお世話になっている人たちに配ったりして、少しずつキムチの輪を広げています。

キムチを作っているはずなのに、気づけば人間関係まで発酵している。

そんな感じです。

秋のご褒美、いちじく

新潟に来てから、いちじくもよく食べるようになりました。

仙台・東京に住んでいた頃は、いちじくを食べる機会なんて、そうそうなかった気がします。
それが新潟に来てみたら、秋になるといちじくが普通に売られている。
「いちじくって、こんなに身近な食べ物だったんだ」と、ちょっと驚きました。

そこで作るようになったのが、いちじくの甘露煮。

いちじくを砂糖でコトコト煮るだけなのですが、これがなんとも秋らしい。
鍋の中でいちじくがゆっくり煮えていくのを眺めながら、「今年もこの季節が来たなぁ」と思います。

できあがった甘露煮は、ヨーグルトに混ぜてみたり、クリームチーズと一緒に食べてみたり。私以外の家族はいちじくにあまり興味がないので、これは私ひとりで楽しむ秋のご褒美。
……と言いつつ、たぶん一番楽しんでいるのは、いちじくを煮ている時間です。

子どもとやるなら、梅仕事

季節の手仕事の定番とも言える、梅仕事。

特に梅シロップは、子どもたちと一緒にできるので楽しい。
梅を洗って、ヘタを取って、瓶に詰めていく。
作業自体はシンプルなのに、青梅が瓶の中で少しずつ変化していくのを毎日眺めるのも楽しい。

そして、梅は梅シロップだけじゃない。
梅酒にしたり、梅ジャムにしたり、梅干しにしたり。
ひとつの梅が、いろんなものに変身していく。

梅、働き者です。

季節を覚えていく

毎年、子どもたちと一緒に梅シロップを仕込んでいたのですが、作るのは楽しくても、できあがったものにはあまり興味を示さない。
なので今年は、「やらなくてもいっか」と、見て見ぬふりをしていました。

すると、4歳の娘に、
「おかあさん!梅ジュース作らないの?」
と言われて、ハッとしました。

そうか。
梅ジュースを飲みたいのではなく、梅ジュースを「作る季節」が来たことを、覚えていたのか。

車に乗っていて、柿がなっているのを見つけると、
「今年はまだ柿、おうちに集まってこないね」
なんて言われることもあります。

気づいたら、子どもたちも旬と一緒に生きている。

私が「今年もやらなきゃ」と思っていた季節の手仕事を、いつの間にか子どもたちも「今年もやるもの」として覚えている。

こういうものが、暮らしの中に残っていくのかもしれません。

……ということで、来年は梅シロップ、作ります。

次回は、ちょっと私のB面の話をしてみようかなと思います。
よく、「丁寧な暮らしされてますね」と言われるんですが、全然してません!

そんな話です。(笑)

 

ウメ

ウメ

宮城県から新潟へ移住。夫婦・娘2人(6歳と3歳)の4人家族です。 縁もゆかりもなかった新潟県に移住した、私たちの移住物語を綴ります。 約200坪の敷地に三角屋根の家。広い庭と外遊びを楽しむ暮らし。

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