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家相は本気で気にするといい家にならない

住宅設計

「家相についてみなさま どうしている?」

FBの非公開グループの意見交換にて、設計の実務者が意見交換しました。
家相を気にする人は、この記事を参考にしてみてください。

 

 田中 洋一郎 様:(奈良:高栄ハウジング 営業部長)

初めて質問させていただきます。奈良県で工務店をしております。
お施主様のご要望を反映して間取りを作っていく中で、お施主様と設計側で合意した後、親御さんや周辺から「お風呂が鬼門に掛かっている」などと横槍が入るケースが増えてきました。
予算が要因で、建物の坪数に制約があり、生活動線や収納力を優先すると、鬼門が後回しになったりします。
現代の鬼門事情、皆様はどのようにお考えでしょうか?
よろしければご意見交換させていただけると幸いです。よろしくお願いいたします。

衣川 知孝 様(広島:カオル建設 代表)
当方は風水の時は設計からプロの方にお願いしています。費用も工期も増えると言っています。鬼門だけを意識する中途半端な風水は意味がないと申し上げております。自分がプランに困ったとき逆に鬼門に助けてもらうこともありますが (笑)

堤 太郎様  (大阪:国土建設 設計)
そもそもは伝来元の中国から見た蒙古襲来の方角から発して、その後も隙間風だらけの昔の家においては室内に向けての北風が入る側に火の元や臭いの元を持ってこない知恵として受け継がれたが、現代の住宅においては「根強く残る風習」である旨の説明を一通りします。
プラン時には(気にする人が相当数いるであろう)あからさまに鬼門線に当たる位置にトイレを持っていく等は常識として避けます。
その他、仏間の上を直接歩かないように配慮するとか(もし歩く場合も対処はあるのですが)、キッチンや玄関の上にトイレを持って行かないとかくらいで、
それ以上を気にしだすと正直、プランになりません。(ただし新築ならば計画次第で避けうるものは避けるという姿勢は無くさずに取り組みます)。

それ以上の細かい事についての対応は(お風呂なんかはそんなに優先せんでも、という気がしますが)合理性がないという基本姿勢を先にハッキリと伝えた上で、ケースバイケースでの対応でしょうか。

施主が家相見(及び昨今の風水関係)の人に相談しているような場合は、逆に注文付けるばかりでなく、間取りを活かしたままで、どういう対処をすれば厄を祓えるのか等の知恵を出して貰ってください、と伝えてます。
それが今に生きる「現代の家相見、風水」の役割りでは無いのですか?と。

寺澤 秀忠様 (東京: 一級建築士事務所 匠拓 代表)
家相は最初のプランで依頼者の希望を確認します。先生に診てもらうなら最初からプランをチェックしてもらいます。黙っていて後から言われると厄介なので最初から家相気にするか確認。ただ、親戚とかの厄介な助言はあるので鬼門の玄関と水回りは注意しています。

 

相模 稔
建築の大家、清家清が50年ほど前に家相について本を出していて、そのレビューを添転載します。 勉強すると いい家相とどうでもいい家相とに分かれると思います。                                               

「家相には
①建築的に根拠のある知恵
②家に対する社会的タブー
③陰陽五行の占い的性質の3つある。

①②は科学時代の現代にも通じる」 と昭和44年に出した書です。
あれから半世紀近い時が流れ、書の内容も、今も通じるものと通じないものにさらに別れた。 読み進めると 日本の住宅史の推移と、社会変化を知ることになりたいへん面白い。

①について 家相の方位での吉凶は、温熱的な理由が非常に多いのがよく分かる
全館均等な室温が可能となった現代において、一気に当時の家相が意味なくなり、
新しきルールとなったと感じました。

この本を、パッシブな設計論理と現代の社会的な常識で磨きなおして、
「現代版 家相の科学」として出版することができたら、その本は30年程度は読み続けられそうだ。」

相模 稔
飯塚さんあたりが 次の本のテーマとして世に出すと、さらに印税収入が増すのではないでしょうか? 安定して人気だし、まともな本が現代に無いから。 5万部は売れそうですね。

飯塚 豊様 (東京:建築家)
うわっ、無茶振りですね。家相は藤森照信さんの「天下無双の建築学入門」に「家相は家の相にあらず」という傑作なコラムがあるのでおすすめです。過去に家相にこだわる方がいて、上記藤森さんのコラムのコピーと下記文章お施主に送ったんですが、全然聞く耳持たないので、以降、私の事務所は「家相にこだわる人はお断り」にしました、笑。
私の文章は下記の通り内容です。

「もともと家相の本質は、情報のない時代、科学のない時代に、住んでからでないと気づきにくい、温度、風、光、音、匂い、プライバシー、衛生、構造など、目に見えないものを事前に予想し、快適な家をつくることだったと考えます。現在はそういった分野を専門的に扱う「環境工学」というジャンルがあります。

家相を環境工学的に見ると、昔の性能の低い平屋の日本家屋や、建売のような安普請の住宅ならそういう傾向はあるでしょうが、我々がつくるような性能の高い住宅では当てはまらないという部分が多々あります。
快適な家の実現のためには家相でなく環境工学を直接、研究する方が近道です。家相が方位をベースとしているのは、温度や通風の状態が方位によって比較的左右されやすいということに基づいています。しかし、これは隣家の影響のない広い敷地でないと成り立ちません。南側に隣家が立つような敷地で、家相を盲目的に採用すると、間取りの方程式p165で書いたような、日の当たらない薄暗い寒い家ができあがります。」

西方 里見様 (秋田:建築家)
(家相を重視するか)初めに聞いて、第一プランで再度の説明をします。基本設計が上がった頃や実施設計が上がった頃に親戚などに見せると一言いいたくなりますね。これは鬼門で主人が死ぬとか、商売がダメになるとか。
飯塚さんのように断るのが一番ですね。ですが、図面が完成間際や完成してからがやっかいです。家相に度々悩まされています。 基本設計が完成してから家相が出てきて訂正し、実施設計が完成直前で別な家相の人が出てきました。 最終的には自分のお寺や神社に診て貰うことを勧めます。
我々には家相の偉いプロ中のプロがいるので聞いてみますとなれば良いです。
相模さんがいいのではと思います。家相のプロ中のプロになってください。

相模 稔
家相診断を環境工学的観点で 私が赤ペン先生を行い、 易者的な機能を、有名占い師と提携し、「西の壁にはえんじ色に塗ると運勢アップ」という感じで、「間取り関係ない」アドバイスを組み合わせると めちゃウケしますね。 ムーンプリンセス卑弥呼さんに声かけてみようかな。(笑

お客様へのアドバイスとしての結論:

家相は過去のノウハウで、現代の環境工学の知識を有している設計者に依頼すれば、快適な家になる。 それでも家相にこだわるとけっこうな確率で設計を断られるか、ダメな家になる可能性が高いです。