暮らしと住まい / 2026年夏
日射は、窓の外で止める。
アウターシェードのすすめ
YKK AP アウターシェード × エクセルシャノン IIx。
高性能窓が抱える「諸刃」と、軒では防げない日射への解決策。
今日の最高気温は29℃。いよいよ夏が本格化しようとしています。室内の快適性を左右するのは断熱性能だけではありません。夏においては、日射をどこで止めるかが、体感温度と冷房負荷を大きく左右します。
遮蔽の位置で、こんなに違う
日射を「どこで・どれだけ」カットできるかを、遮蔽手段ごとに比較してみます。棒グラフの高さがカット率を示しています。
(ESクリア素通し)
ブラインド
アウターシェード
内側ブラインドでも約40%のカットは可能です。しかし一度室内に入った日射は、ブラインドや壁に吸収されて熱になり、そのまま室内にとどまります。外で止めてこそ、86%という数字が生きてくるのです。
ESクリアという「諸刃の剣」
弊社が採用しているエクセルシャノン IIx の標準ガラス「ESクリア」は、業界内でも特異な位置づけのガラスです。一言でいえば、断熱性と日射熱取得を同時に高めた「冬のための高性能ガラス」。その高取得率が、夏には諸刃になります。
ガラス単体の日射熱取得率(ηg)を並べると、その特性が一目で見えてきます。
(グリーン系)
遮熱型 Low-E(32%)と比べると約1.8倍の日射熱が窓を通じて室内に入ります。ESクリアを採用した高性能住宅ほど、夏の外部遮蔽は「オプション」ではなく「設計の一部」として考える必要があります。
外部遮蔽さえ徹底すれば、ESクリアは冬の日射熱を最大限に取り込む「暖房負荷を根本から下げる窓」として機能します。アウターシェードとの組み合わせは、この窓の性能を年間通じて最大化する唯一の手段です。
軒では防げない日射が、二つある
弊社の住宅は軒や庇で南面からの直達日射を遮る設計が基本です。しかし、軒が効かない日射経路が二つあります。
ひとつは、東西面への横殴りの日射。夏の朝と夕方、太陽は低い角度から東・西へ強く差し込みます。この低仰角の日射は、水平方向に張り出した軒では原理的に遮れません。特に西日は日中に蓄積された熱と重なるため、夕方の不快感につながりやすい。東西面の窓にアウターシェードを設けることで、この「横からの攻め」を外で止めることができます。
もうひとつは、地盤面・デッキからの照り返し。南面の軒が正面からの日射を完全に遮っていても、地表面で跳ね返った日射が低い角度で窓の下方から入射するルートは防げません。
照り返しと、タイルデッキをおすすめしない理由
弊社の外構では芝生・植栽と天然木デッキを基本としています。これは景観の問題だけではなく、夏の熱環境に直結する選択です。各素材の表面温度を比較してみます。
◎ 弊社標準
○ 弊社標準
△ 非推奨
タイルは蓄熱量が高く、日向では表面温度が60℃を超えます。高温になったタイル面からは強烈な長波輻射熱が放射され、窓へ向かって下方から室内に侵入します。見た目の清潔感とは裏腹に、夏の熱環境としては最も不利な素材の一つです。天然木は蓄熱しにくく、通気を確保した架台構造にすることで輻射熱をさらに抑えられます。
こうした地表からの照り返しや、東西面への低角度日射は、軒だけでは防ぎきれません。アウターシェードを加えることで、軒が届かなかった部位にも遮蔽が行き渡り、はじめて建物全体で日射をコントロールできる状態になります。
YKK AP アウターシェードをおすすめする理由
外部遮蔽の手段として弊社が案内しているのが、YKK AP の「アウターシェード」です。スプリング式のロールアップ機構で出し入れが簡単。強風時は即座に収納でき、おさまったらまた下ろすという運用が無理なく続けられます。
色は4色展開(グレイ・ブルー・グリーン・ブラウン)。遮蔽率を重視するなら明度の低いグレイやブラウンが有利です。眺望を重視したい窓にはブルーやグリーンを選ぶなど、部屋ごとの使い分けもおすすめです。
グレイ
ブルー
グリーン
ブラウン
わが家の実感
築12年の自邸も、当初は簾で対応していましたが、5年目ごろに YKK AP のアウターシェードへ切り替えました。収納が格段に簡単になり、強風時も慌てず対応できます。導入後は夏の快適性が体感できるレベルで向上しました。ESクリアの「諸刃の剣」をちゃんと制御できている、という安心感があります。

今年の夏も記録的な暑さが予想されています。高性能窓を採用した家ほど、夏の外部遮蔽は設計の一部として考える必要があります。アウターシェードは、設備に頼る前に「建物で熱を防ぐ」という考え方の、最もシンプルな実践です。
ご相談はオーガニックスタジオ新潟まで、お気軽にどうぞ。

