OWNERS COLUMN & INTERVIEW

オーナーズコラム&インタビュー

vol.14 京町家と西陣界隈

高橋家高橋家

ゴールデンウィークに京都へ帰省しました。


息子が生まれてから何度も京都に帰っていますが、あまり京都らしいところへは行ってなかったので、今回はひさしぶりに母のアトリエの町家に連れて行くことにしました。

一番の理由は、小さい時に昔の家の暮らしの雰囲気を体感してもらいたかったから。

自分が子どもだった頃は、町家の独特の狭さ、暗さ、古さに肝が冷えるような思いがしたのを覚えています。古民家とはまた違う、町家ならではの閉鎖的な薄暗い空間は、子供には不気味にしか思えず、狭くて居心地がわるいので大嫌いでした。
(大人になった今、古いものが大好きになりましたが。)

息子にも古いものの良さをいつか分かって欲しい、ということで、今回は母の町家と、古いものが多い西陣界隈をうろうろしてきました。

町家にて

私の母がアトリエにつかっている町家が大徳寺の近くにあります。


おそらく建ったのは90年以上前で、ほとんど改装されず使われている昔のままの町家です。

玄関を開けると通り庭(とおりにわ)とよばれる土間が奥まで続きます。その左手に、小さな和室が3つならんでいる作りです。


土間にはタイルでできた流しと「おくどさん」とよばれる竃があります。もちろんおくどさんは今は使っていません。


▲おくどさん。洋風にも見えます。

上七軒で団子屋をやっていた親戚は、数年前に閉店しましたが、ずっとおくどさんで薪を使っておだんごを蒸したり?していました。
木造の狭ーい町家で薪をつかうのをみて火事にならないかヒヤヒヤしました…。


町家は火事が一番怖い!ということなのか、室内にこんな非常ボタンがあります。押したことがないので分かりませんが、押すと表の軒下にある警報ランプが光ります。
古い町家には玄関の軒に警報ランプが付いていることが多いです。


▲通り庭によくある作り付けの棚

さて、息子はたしか1歳くらいの時に来たことがあるのですが、覚えているはずもなく、初めての町家を意外と楽しんでくれていました。


▲息子が来るのを待ちわびていた下駄

息子が一番びっくりしていたのがトイレ。多くの町家は庭に別棟でトイレを作っていることが多く、一度奥の間のお座敷から外の縁側にでて、トイレに行かなくてはいけません。


▲トイレのドアに母がポストカードとか貼っています…

「小さい家がある!」と言ってびっくりしていた息子は、トイレの中がこわくてビビっていました。笑
しかし外のトイレとか冬は地獄です。昔の人は大変だったんだろうな…。

オガスタの全館暖房でトイレも浴室も暖かい暮らしが当たり前の息子に、真冬の町家体験もさせたいところです。笑

そしてほとんどの町家はお風呂はありません。リフォームで庭の一角を潰してお風呂を作る家も多いですが、いまだにお風呂なしで暮らしている人も多いです。


▲登録有形文化財の船岡温泉

町家の多い西陣エリアは、銭湯もたくさん残っています。
昔に比べると需要が減ってしまって京都市内の銭湯もかなり減ってきているそうですが、近所にある船岡温泉はタイルが珍しいとかで、外国人観光客のメッカになっていました。
前を通った時、お昼過ぎなのに、すごくたくさん海外の方が押し寄せていて、地元のおじいちゃんおばあちゃんが「なんやめちぇめちゃ混んでるな〜」と言っていました。


▲さらさ西陣の外観

船岡温泉の近くにあるさらさ西陣は、元銭湯を利用したカフェです。ここもすごく美しいタイルが有名な銭湯で、昔は銭湯ってすごく凝った作りをしていたんですね。

今回は都合により町家に泊まれませんでしたが、今度は泊まって銭湯にも連れて行きたいなぁと思います。笑

西陣界隈のお店


▲うめぞの茶房のショーケース
西陣界隈は鞍馬口通を中心に、ここ数年で町家を利用した若い人のお店がすごく増えました。古い建物をリノベしたお店が多く、古いもの好きの方はぜひ訪れて欲しいエリアです。
そして美味しいお店も多いので、女性にもオススメです。

うめぞの茶房の羊羹をモダンにアレンジしたスイーツは、和菓子っぽくなく、餡子が苦手な人にもおすすめです。ショコラやフランボワーズのものは、和菓子というより限りなく洋菓子。
町家の店内でカフェ利用もできます。


▲little CHIMOはバターロール専門店。
外観からして気になるかわいいお店です。バターロールというとチープなイメージでしたが、フレーバーが沢山あって、ブランデーとかの効いた大人のお味でした。
小さくて一口でたべれるので何種類も買いたくなります。ギフト用の紙箱もオリジナルですごくかわいい。


▲その近くにある上海航路 コイコイ商店は、古道具屋さん。
店主さんいわく京都市内一軒目のパチンコ屋さんだったそうです。
変わった店名は昔の建物の屋号をそのまま使っているのだそうです。


昔の店内をそのまま利用してあります。喫茶営業もされています。


お店巡りのあとはぜひ船岡山へ。
街中に丘のように立つ小さな山ですが、とても歴史のある場所なのです。


この船岡山は、都を作る時に、風水思想に基づいて、玄武と見立てられた場所といわれています。
頂上には建勲神社があります。
標高112メートルほどですが、とてもいい景色が見えます。
正面には大文字山も。

もし京都にお越しの際は、ぜひ西陣界隈、散策してみてください。

高橋家

高橋家

30代夫婦と4歳の息子、そして雑種犬ミヤビで暮らしています。 アーティスト(版画作家)でもある妻のつくる「アートと季節感を愉しむ暮らし」。 現在は夫婦共働きで忙しい毎日。 週末をいかに楽しむかがわが家の命題です。

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