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「坪いくら」の家づくりの弊害

お金

「外構工事は別途」でどうなるか?

よく新興団地に行くと、木の一本も植わっていない「裸でつったっている家」を見かけますが、それは、外構工事が「別途工事」で、当初の資金計画にはないっていないからです。そうした別途工事を抜きの資金計画で融資を申し込み、その範囲で計画を進めたという図式が透けて見えます。

とうぜん 予算無き物には住宅屋が面倒をみてくれない。

「見積りに含めると高くなりますよ。」「住んでからじっくり自分でやればいいじゃないですか。」

という会話も聞こえてきそうです。

こうした傾向は、超大手HMは 外構のパワーを知っていらっしゃるようで、ある程度 外構を施し、無難にまとめてくれますが、ローコスト系HMに 外構工事をないがしろにするこの傾向が強いですね。

安く安く・・・

「今の家賃と同じだけの負担で住宅ローンが収まる」という、甘いトークがまかり通っているので、安く安く見せるように営業行為が行われます。

(安普請で狭いアパートの家賃と、同じ程度の負担で手に入れた住宅がまともでないことは、少し考えればわかることだし、手に入れてからの維持管理費用の一切が頭にないんですよね)

ともかく そんな流れで外構工事が別途になり、裸の家が出来上がります。

安く見せるための手段に、「坪いくら」というフレームワークも用いられ、これが高い安いなどと比較をあおらせて、安っぽい家を量産させることにつながってきました。

*近頃は「総額コミコミxxxx円という 企画住宅パック販売が流行っているようですが。

 

総2階で坪いくら

また、坪単価は総2階になれば一番安い。「坪いくら」系の住宅屋の価格は、総2階のときの本体価格をさすわけです。営業も設計も、ともかく総2階になるように提案をしようとします。

そこで、南面の窓に夏の直射日光が当たろうがお構い無しの、夏に暑くなる住宅が出来上がります。また、正面の目立つ壁だけツートンにしたり、やけに玄関ドアだけデザインデザインした感じで浮いていたりするわけです。

ともかく、初心者の消費者が「坪単価いくら」で計画を進めると、様々な部分にまで影響を与えるのか手に取るように見えてきます。

余談ですが、私らに時折お問合せがありますが、まれに、

「オーガニックスタジオさんは、だいたい坪いくらですか?」という質問をされます。

わたしはその方がおっしゃる価格の範囲をどう捉えているか注意しながらご説明するのですが、いかんせん世界観が違いすぎるのでしょうか?「坪いくら」の人は、まずは当方で家を建てることはありません。ほとんどがすぐに消えてしまいます。

「価値」と「値段」の関係でいう コスパには自信があるのですが、「坪いくら」の価値観にどっぷりの人を、一瞬で眼を覚まさせるだけの力は私にはありません。そうした力がある人を 何人か知ってますが、それこそが実力がある設計士だと思うのです。

坪いくらのルーツはアイフルホーム

あぁ 20年数年前。住宅業界にデビューしたのは、アイフルホームの本部でした。

アイフルとは「よく見える」という意味で、「標準仕様で坪単価26.8万円より」という価格明快路線で「坪いくら」を日本で初めて打ち出しました。企画型商品を単独展示場で出店し、ローコストで大量販売するという手法は、その後の日本の住宅産業に多大な景況を与えました。

「坪いくら」という概念を決定的に世間に植えつけたのが、当時のアイフルホームが元祖ではないのかと思うのです。そこからいろいろなフランチャイズが派生し、全国にあふれているローコストパワービルダーも、源流をさかのぼれば、何かしらの要素が生きているはずなんです。時は過ぎ、もはやアイフルホームさんは、「坪いくら」の世界観から卒業し、提案型住宅へとシフトしようとしていらっしゃる。

その中枢にいた張本人が私で、その落とし児の「坪いくら」の価値観と、今は闘う破目になるとは人生は分からないものです。