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農作業小屋を改築し、竹林を眺めるのどかな住まいに

農作業小屋を改築し、竹林を眺めるのどかな住まいに

村上市旧荒川町は、米どころである新潟県内でも特においしいと評判の岩船産コシヒカリの産地だ。肥沃な土壌と清流がおいしいお米を育んでいる。

そんな荒川町の大地をつくっているのが、上流の関川村から流れてくる荒川の水だ。荒川が運んできた堆積物によってつくられた扇状地が広がっているが、O邸はそんな扇状地の中でも頂点に近い上流部に位置する。

家の東側には防風林としての役割を果たす竹林、北側にはケヤキの巨木がそびえ、その向こうには小高い山が連なる。

この豊かな景色を独占できるのは、集落の端に立つこの家ならではの特権だ。

 

実家の農作業小屋をリノベし、家族3人で暮らす

実はこの家は、新築ではなくリノベーションでつくられたもの。

「ここは私の実家の敷地内なんですが、元々は農作業小屋だった場所です。実家は兼業農家でしたが、数年前に父が米作りをやめることにしたんです。それで、この場所を使わせてもらえることになりました」とご主人。

農作業小屋だったという改装前の建物

お母様には建て替えてもいいと言われていたが、お父様が大切に手入れをしてきた小屋は状態が良く、躯体をそのまま使ってリノベーションすることを選んだ。

「建て替えや母屋の増築も選択肢として考えながら、いくつかの住宅会社を見て回っていました。検索をしていく中でオーガニックスタジオさんのホームページに辿り着き、小新にあったモデルハウスを見学したんです。それまで見ていた家とは素材感が全然違って、すごくいい雰囲気だなあと思いました。性能に力を入れていることや、床下暖房も魅力的でしたね」(ご主人)。

「その頃は胎内市のアパートに住んでいたんですが、ちょうど近くに杉板の素敵な家が建って。こんな家に住みたいね、と話していたらオガスタさんの家だったんです。それも決め手の一つでした」(奥様)。

 

竹林とケヤキを眺める居心地のいいLDK

設計を担当したのは、オーガニックスタジオ新潟の一級建築士、阿部誠治さん。

「眺めのいい北東側に大きい窓を設けたいということ、そして1階で生活が完結できるようにしたいということ。その2つの要望を元にプランニングを進めました」と阿部さん。

そうしてつくられたのが、建物中央にある玄関から入って左半分が豊かな自然風景を取り込んだLDK、右半分が水回りや寝室、収納スペースという間取りだ。

2階は仕切りのないフリースペースで、物干し場やお子様の遊び場として活用している。

2階は間仕切りをつくって2室に分けることもできる。右に見える棚はご主人がつくったもの。


床はラワン合板でラフな仕上げに。


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階以上に竹林が美しく眺められる。

リビングに入ると目に飛び込んでくるのは、北側にある大きなピクチャーウインドウ。この窓はエクセルシャノン社製の樹脂サッシだ。

枠の存在感を消し去った窓はFIX窓のように見えるが、実はスライドをさせて戸袋に引き込める設計。

大きな窓は、家の中にいながらまるで外にいるかのような心持ちにさせてくれる。

北側の窓なので特に日光が直接入ってくることもなく、安定した光と風景をリビングに届けてくれる。

「真夏の本当に暑い時期はエアコンを使いますが、それ以外は夏でも網戸にして窓を開けて過ごしています。友達を呼んでこの窓の外のウッドデッキでバーベキューをしたり、ちゃぶ台を出してごはんを食べることもありますよ」とご主人。

「冬は特に景色がよくて、雪が積もっている時の朝焼けはすごくきれいですね。介護士の仕事をしているんですが、夜勤明けで疲れて帰って来た時には、特にこの景色に癒やされます」(奥様)。

竹林を望む東側の窓は、座卓を置いて座った時にちょうどいい高さにしている。以前はキッチンの横にダイニングテーブルを置いていたが、そこはお子様の絵本コーナーにした。


左下に見えるルーバーの中には、床下エアコンが仕込まれている。

現在はこの窓辺の座卓で食事や団らんを楽しんでいるという。

タヌキやキジなど、窓の外にはいろいろな動物が姿を現すが、そんな野生動物との出会いもこの家では日常のものだ。

「土地が1,000坪くらいあって、両親が畑と果樹をやっているので、野菜のほかに、柿やスモモ、キウイや栗などをもらっています。冬になって雪が積もったら庭で雪灯籠をつくったり、かまくらをつくって中でごはんを食べたりするのも楽しみですね」とご主人。

都市では得られない贅沢な時間や体験がここでは日常のものになっている。

 

秘湯やアウトドアが好き。そんな感性に合うインテリア

ご夫婦ともに温泉旅行が好きで、秘湯の宿へ出掛けることが多いそう。秘湯を目指すのは、昔ながらの木造の旅館など、個性的な宿で思い出に残る時間を過ごしたいという理由からだ。

秋田県の鶴の湯温泉や、山形県の白布温泉や滑川温泉など、情緒あるひなびた温泉宿を旅してきた。時には素泊まりの湯治部を選ぶこともあり、一般的な旅館ではできない経験を家族で楽しんでいる。

また、キャンプも好きで、お隣の関川村にある大石オートキャンプ村や新発田市の滝谷森林公園など、県内のキャンプ場を中心に、隣県へも出掛ける。


ご主人が創刊号から揃えているアウトドア雑誌「GO OUT」。

そんなご夫婦だから、家も山小屋のようなラフな雰囲気を希望した。天井はラワン合板で仕上げ、床は節の多いオーク材の乱尺張り。テーブルもオークの床材でオーガニックスタジオ新潟につくってもらったものだという。

テレビボードは中古の家具を見繕い、ソファはラタンがアクセントになっているものを選んだが、その質感がこの住まいによく似合い、一層リラックスした雰囲気をつくり出している。



ラタンとファブリックがレトロなアクメファニチャーのソファ。

 

できることは自分たちで。DIYで仕上げた壁

1階のLDKと逆サイドにあるのは8畳の寝室。LDKとは対照的に、窓は小さめにして、落ち着ける雰囲気をつくり出している。

床にはガラリが設けられているが、この家で採用している床下エアコンの暖気がここから上がり、真冬でも家中を自然な暖かさにしてくれる。

マットなグレーの壁は塗装仕上げ。「それまでDIYをやったことはなかったんですが、できることはやろうと思い、壁は自分たちで塗ったんです。プロの仲間にも手伝ってもらいましたし、阿部さんにも手伝ってもらいました(笑)。でも3度の重ね塗りが思ったよりも大変で、途中で後悔しましたね…。頼んでおけばよかったな…と。ただ、いい経験になりましたし、自分でもできることが分かったので、今では車のキズなども自分で直すようになりました」とご主人。

寝室のそばには少し広めの洗面脱衣室。

壁と天井は檜で仕上げており、檜独特の爽やかな香りが漂っていた。大きな天板の洗面台は使い勝手がよく、天井に吊ってある2本のパイプはバスタオルや洗濯物を干すのに重宝する。

廊下から見る抜け感も気持ちよく、程よい陰影が床や天井の素材感を際立たせている。

また、リノベーション工事と併せて、外にはご主人の小屋を新たにつくった。

アウトドア用品や、海釣りで使うシーカヤック、スキー、工具などが整然と並ぶ小屋はまさに男の隠れ家だ。壁の有孔ボードや棚板などは、ご主人がDIYでつくり上げたもの。

奥にはデスクがあり、夜な夜なここでお酒を飲みながら、笹川流れで真鯛を釣るための疑似餌をつくるのがご主人の楽しみなのだそう。

田舎暮らしをトコトン楽しむOさん家族だが、ご夫婦共に学生時代は東京で暮らしていたという。「でも、その頃から都会よりもこっちで過ごすのが好きで、長期の休みの度に実家に帰って来ていました。今も東京に住みたいとは思わないですね」とご主人。

保育園に通うお子さんも外遊びが大好きで、真っ黒に日焼けしながら健やかに成長をしている。

ご夫婦は二人とも旧荒川町出身で、地元の良さを十二分に満喫しながら家族3人で暮らしを楽しんでいる。冬は寒さが厳しい環境ではあるが、快適に暮らせる性能があるから、自然の美しさを楽しむゆとりも生まれている。

実家の広い敷地の中で新しい住まいに選んだのは農作業小屋。しかし、それこそが今時のちょうどいいサイズ感。

この家は様々な体験を楽しむためのベースキャンプのような存在だ。

 

O邸
村上市
延床面積 99.24㎡(30.02坪) 1階 66.84㎡(20.22坪) 2階 32.40㎡(9.80坪)
家族構成 夫婦+子ども1人
工事完了年月 2015年11月

 

sumica vol. 5 「荒川の家A」巻頭特集&「中野山の家」掲載

新潟ろうきん様WEB 新潟住まいるぺ~じ「荒川の家A」掲載

 

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