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築9年、薪ストーブ暮らしを夢見た夫婦が創業間もない会社に家づくりを依頼したお話

阿賀野市旧水原町。町の中心近くにある湖「瓢湖(ひょうこ)」には、毎年秋になるとたくさんの白鳥が飛来してくる。

寒風の中、湖に身を寄せ合う白鳥や鴨、そしてその向こうには雪をたたえた五頭連峰の山並みが見える。それが水原を象徴する冬の風景だ。


一方、夏になれば瓢湖は蓮で覆われ、まったく違う風情を感じさせる。

そんな瓢湖で有名な旧水原町内の住宅街にIさん家族が家を建てたのは2010年秋のこと。

インターネット検索で相模社長のブログに辿り着く

「前はこの近くの古い家に住んでいましたが、150坪の土地を買い、ここに新築をすることにしたんです」とご主人。

オーガニックスタジオ新潟を知ったのは、奥様がインターネット検索をする中で、相模社長のブログに辿り着いたのがきっかけだ。相模社長の建築に対する考え方や人柄までもが深く伝わるブログの記事を読んでいるうちに、興味が深まっていったそうだ。

それまでは総合住宅展示場を訪れたりもしていたが、あくまでそれらは見せるためのものであり、住む家を考える上では参考にはならないように思えたという。

そんな時、2010年1月に新潟市西区赤塚に完成した、オーガニックスタジオ新潟の「赤塚の家A」の見学に行った。

「外観を見た時に私たちがイメージしていた理想の家そのもので、あまりの良さに家の前で叫んでしまう程でした」とご主人は笑う。

その時は、自然素材系の他のビルダーでも検討をしていたが、この見学会を機に、オーガニックスタジオ新潟と共に家づくりをすることに決めた。

 

1週間単位のキャンプもするアウトドア家族

2019年10月現在は、Iさん夫婦と、地元で働く20歳の長男、高校3年の次男、中学3年の三男の5人暮らし。家が完成した2010年9月は、長男は11歳、次男は9歳、三男は5歳だった。

独身時代からアウトドアやキャンプが好きだったご主人は、結婚して子どもが生まれると家族でキャンプへと頻繁に出掛けるようになったという。「一番下の子が生まれて4カ月の時も、家族でキャンプに出掛けていました。春だったので毛布でくるみながらテントで過ごしていましたね(笑)」と奥様。

三条市のヒメサユリキャンプ場や、隣県福島のフォレストパークあだたらがIさん夫婦のお気に入りだ。

気に入った場所にテントを張り、家族で1週間くらいゆっくり過ごすこともあるという。

I邸の現場監理を担当したオーガニックスタジオ新潟の波潟靖さんもアウトドア好き。ファミリーキャンプの場合は設備が整った快適な場所へ行くが、あまり整っていないキャンプ場でソロキャンプをするのも好きだという。

そんなキャンプ談議に花を咲かせた。

2つの庭の間に立つ杉板張りの家

150坪の土地は奥行き方向に長い。道路の前には駐車スペース、その奥の庭には建設業の仕事をしているご主人が自ら重機を操り植栽を施した。

駐車場の舗装もご主人が自ら施工を行ったという。それにより、工事費の大幅なコストダウンに成功。

その植栽の奥に建物があるので、通りから見ると、随分と奥まった場所に家が立っているように見える。

杉板の外壁は縦張りの押し縁仕上げ。雨風を受けやすい場所が変色し、山小屋のような風情を感じさせる。1階には深い庇が横に伸びており、ポーチとデッキを雨から守ってくれる。

さらに、建物の奥にもゆとりある裏庭があるが、そこはストーブに使う薪置き場でもあり、友人家族とバーベキューをして過ごす場でもある。

バーベキューをする時は5~6家族が集まるため、ホームセンターで売られている一般的なバーベキューコンロでは小さすぎるという。そのため、ドラム缶を半分に切ったオリジナルの大きなバーベキューコンロを2つ並べて使い、ビールは樽で買ってサーバーで注ぐ。

この庭にテントを張って過ごすこともあるそうだ。

庭の一角には大きなシラカシの木が生えているが、これは新築時に波潟さんがプレゼントした木。当時2mくらいだったが、9年の間に成長し2階の屋根よりも高くなった。


写真右に見える木が、波潟さんがプレゼントしたシラカシ。

薪ストーブの力により、冬はTシャツ1枚で過ごせる

住まいづくりでご主人が強く希望したのが薪ストーブだ。

そもそもご主人にとって、薪ストーブを楽しむことが家を建てる理由だったという。そのワイルドな発想に、相模稔社長は2010年6月14日のブログで「ランボーのような豪快な旦那」とブログで表現している。

家がまだ建築工事中に、既に5年分の薪の調達が完了していたそうだ。

ストーブはデンマークのSCAN社製で「みにくいアヒルの子」の愛称を持つ。コンパクトで独特のデザインがかわいらしい。

「薪が燃える時に出る炎が漂うように見えるのが特徴ですが、冬にストーブの前で炎を見ながらお酒を飲む時間が好きですね。これから寒くなるのが楽しみです」とご主人。

冬の間は薪ストーブ1台で家中が24~25度に保たれるので、家の中ではTシャツ1枚で過ごすのがちょうどいいという。「家の中が暖かいので、息子たちも上着を着ないで外に出て、慌てて戻ってきたりもします」(奥様)。

毎年、夏の間に行う木の調達や薪割りはご主人の仕事。「薪ストーブは冬に暖をとるだけでなく、調達や薪割りで体を動かすため『3回暖まる』と言われています。薪割りはいつも始めるまでが苦痛ですが、やり始めると楽しくなってくるんですよ」とご主人は話す。

ちなみに木は公園を管理している会社や、ご主人が仕事関係でつながりのある人からもらうため、材料費は掛からない。

 

南北に開き、光と風を取り込む

冬になれば、薪ストーブでぽかぽかと暖かい家の中に友人たちが集まる。

12畳のリビングに、4畳の小上がりがあるが、小上がりの段差は腰を掛けるのにもちょうどよく、大人数でも楽に過ごすことができる。

内装の壁は珪藻土の左官仕上げだが、すべてご主人が自ら塗ったというから驚きだ。相模社長も後にブログで「時間さえあれば、自分で家も作れたかもしれない」と語っている。

リビングには南北に大きな窓が設けられており、取材に訪れたこの日はどんよりとした曇り空だったが、室内は程よい明るさに包まれていた。

「両方の窓を開けると風がよく通り抜けるんですよ。夏でもエアコンをつけずに過ごせる日があるので、電気代は安く済んでいるように思います」(奥様)。

「断熱のことを考えると北側に大きな開口を設けないのがセオリーです。でも、北側にもゆとりがある土地なので、大きな窓を付けないのがもったいないためこのような設計にしています」と波潟さんは話す。

南側の軒の下にはウッドデッキが設けられているが、これは引き渡し後にご主人がDIYでつくり上げたもの。外構工事に左官、大工工事と、ご主人は幅広く自邸の工事に関わっている。

このデッキは夏の夜、風呂上がりに涼んで過ごすのにもちょうどいい。

日当たりがいいので愛猫のお気に入りのスペースにもなっている。

ざっくりとした棚には、器からワインボトルまで

キッチンはリビングのすぐ隣に位置しており、リビングでくつろぐ家族と一緒の空間で料理ができる。

お子さんたちが学校の技術の授業で作った本立てが調味料棚として活用されている。

キッチンの奥にあるのは収納量たっぷりの可動棚。ここには食器や鍋、炊飯器やトースター、アウトドア道具などさまざまなものが並んでいる。食器棚とパントリーを兼ねたスペースだ。

夫婦共にワインが好きで、ワインボトルがいくつも置かれている棚がある。ワインは産地にこだわらず、毎月お任せで6種類が届く通販を利用しているという。

その手前の床には料理が好きな奥様が仕込んだ梅干しや梅シロップの瓶が並ぶ。

時を経て味わいを深める自然素材

この家に丸9年暮らしてきた感想を聞くと、「毎日のことだから、それほど家について意識はしていないですが、それでも家に帰ってくると『渋くていい家だな』って思います。大きさもちょうどいいし、特別にものが増えて手狭になるという感じもないですね」とご主人。

奥様は「あっという間に時間が過ぎていった感じです。冬は薪ストーブで暖かい部屋に友人が集まり、夏は庭でのバーベキューに友人が集まり、みんなでお酒を飲むんですが、この家に住んでから人が集まるようになりました。このまま家と共に年を取っていきたいと思います」と話す。

ご主人が仕上げた内装の塗り壁は、よく触れるところが多少黒ずんだり、新築時に買ったソファに傷が増えたり、ギャッベの色が薄くなったりしているが、そんな変化もこの家の歴史となり味わいを深めているようだ。

リビングの古い掛け時計は、奥様の実家の蔵に保管されていたネジ巻き式のものを使っているが、「1時間に1分早く進むんです。あと、毎時大きな音が鳴るので、大事なところでテレビの音が聞こえなくなるんですよ」とIさん夫婦は笑う。

I邸に流れる心地いい空気は、自然素材あふれる空間とご夫婦の大らかさによりつくり出されているもの。


ドリップコーヒーと奥様手作りのイチジクのケーキ。

年月を重ねたワインが味わいを深めていくように、I邸も熟成を続けている。


文・写真  鈴木 亮平 (Dairy Lives Niigata)
取材時:2019年10月26日

I邸
阿賀野市
延床面積 113.19㎡(34.24坪) 1F 61.14㎡(18.49坪) 2F 52.05㎡(15.75坪)
家族構成 夫婦+子ども3人
竣工年月 2010年9月

 

ワイルド&レトロ「水原の家A」

 

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